記者資料提供(2025年1月14日)
企画調整局医療産業都市部
神戸アイセンター(神戸市立神戸アイセンター病院、公益社団法人NEXT VISION及び株式会社ビジョンケア)では2017年の設立以来、「全ての視覚障害者にあらゆる解決方法を提供する」を目的とした神戸アイセンター構想のもと、世界最先端の基礎研究、臨床応用、治療、ロービジョンケア(※)に取り組んできました。
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2024年12月5日より開始したクラウドファンディング「iPS細胞による網膜再生医療実用化 患者さんに光を失わせない未来へ」では、1月8日時点で320名を超える方々からのご支援をいただき、当初の目標額であった1,000万円を達成することができました。この場を借りて心よりお礼申しあげます。
今後、さらに研究を推進していくため、この度、目標額(ネクストゴール)を2,500万円に変更し継続して実施させていただくことにいたしました。
※ロービジョンケア:低視力・視覚障害者向けの日常生活支援等
1.概要
iPS細胞による網膜再生医療の実用化に向けて、様々な網膜変性の患者さんを対象とした次世代の移植治療法の研究(※)を推進するため、資金を調達するとともに、神戸アイセンター構想の取り組みを広めていくためクラウドファンディングを実施しています。
※次世代の移植治療法の研究:「網膜色素変性」は、徐々に視野が狭くなり、視力を失うこともある遺伝性の病気で、現在も治療法が確立されていません。これまでの基礎研究の結果から、iPS細胞由来の網膜シートの移植により、視機能が回復する可能性があることがわかっています。そのため下記3つの技術を新たに導入することで、視機能の改善と進行する病状の抑制を目指しています。
① 大きな網膜シートの作製
従来の作製方法(浮遊培養法)に改良を加えたことで、これまでと比べて、より大きな網膜シートの作製(広範囲への移植)が可能となりました。
② 拒絶反応を起こしにくいさい帯血由来iPS細胞の活用
さい帯血は、お母さんと赤ちゃんをつなぐへその緒や、胎盤の中に含まれている血液で、幹細胞という体の様々な組織を形成する細胞が豊富に含まれています。
さい帯血の中から細胞移植の際、拒絶反応を起こしにくい細胞からiPS細胞を作製することで、汎用性の高い網膜シートを作製できます。
③ 遺伝子編集技術の導入
遺伝子編集技術を用いて、疾患の治療に必要な細胞のみを精選して患者に細胞移植することで、生着した細胞がより効率的に機能します。
詳細については、下記ホームページのURLをご参照ください。
https://x.gd/0111_00
2.実施期間
2024年12月5日(木曜日)~2025年2月28日(金曜日)
3.目標金額(ネクストゴール)
25,000,000円
4.寄附金の使途
下記のとおり、次世代型視細胞(網膜シート)の研究・開発や、今後の臨床試験の準備、及び患者への情報発信等に活用します。
・遺伝子解析や安全性試験、細胞製造やその他臨床試験準備にかかる経費
・臨床試験に向けて、本プロジェクト含めた患者への情報発信、広報、相談対応にかかる経費
5.ご支援方法
下記のホームページURLよりお申込みください。
https://kobe.eye.center.kcho.jp/crowdfunding/index.html
6.寄付金のお取扱い
クラウドファンディングの実行責任者であり、本研究の実施主体である神戸市立神戸アイセンター病院(地方独立行政法人神戸市民病院機構)が寄付金をお受けする窓口を設置し、寄付金の管理と寄付受領書の発行等を行います。
※いただきました寄付金は、目標金額達成の可否にかかわらず、研究資金に活用させていただきます。
※本プロジェクトへのご寄付は、税制上の優遇措置が受けられます。
7.参考
(1)本クラウドファンディングへの応援のお声
既にご支援いただいた方々より、あたたかい応援のお声を数多くいただいております
(以下抜粋)
- いつもいろいろな情報を提供してくださってありがとうございます。患者家族としてiPS細胞を使った再生医療や治療薬の開発に期待しています。神戸アイセンターの研究は、患者そして私たち家族にとって希望の光です。応援していますのでがんばってください。
- 私も網膜色素変性です。日々研究に尽力いただいている方達へどうやって応援したら良いのか分からずただ毎日を過ごすだけでしたが、こうやって支援することができてとても嬉しく思います。応援しています。
- 親戚に全盲がおりました。若い頃に病気をして見えなくなってしまったもので、当時治療できていれば、私の姿も見てもらえたのかと思うととても悔しいです。今を生きる皆さんのために頑張ってください。
(2)2024年12月2日付 記者資料提供資料
「神戸アイセンターがクラウドファンディングを実施します
~iPS細胞による網膜再生医療実用化 患者さんに光を失わせない未来へ~」
https://www.city.kobe.lg.jp/a89323/press-iryosangyo/202412/827660162782.html