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賃貸住宅退去時の「原状回復」トラブルを未然に防ぎましょう!

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記者資料提供(2025年2月13日)
地域協働局消費生活センター

1.相談事例から

入居して約10年の賃貸住宅を退去する。
家主から、浴槽のシミやトイレの便器のヒビ、フローリングの傷みがあると言われ原状回復費用を請求されている。
築30年ほどの建物のため元々傷みがあったが、入居時の写真は撮っていなかった。(40歳代、男性)

2.賃貸住宅の原状回復費用に関する相談受付状況

2月プレス資料2月プレス資料
左の図は神戸市消費生活センターに寄せられた賃貸住宅の原状回復費用に関する相談件数です。
2025年1月末時点の件数は163件あり、昨年同時期(2024年1月末時点)の140件と比較して増加しています。

右の円グラフは2023年度に寄せられた相談を年代別に表したグラフです(無回答を含む)。
20歳代からの相談が最も多く、20歳代から40歳代を合わせると全体の6割を超えています。

3.神戸市消費生活センターからのアドバイス

部屋を借りる入居者は、社会通念上要求される程度の注意を払って使用しなければなりません(善管注意義務)。
入居者が不注意等で建物や設備に大きな損耗・損傷等を生じさせた場合は、入居者に修繕する義務があり、あわせて家主に通知する必要があります。
賃貸住宅では、エアコンや給湯器など付帯設備が故障した場合の対応が物件の契約条件によって異なりますので賃貸借契約書を必ず確認しましょう。
付帯設備として賃貸借契約書に記載されている場合は、基本的に家主が修理・交換費用を負担します。

付帯設備の故障・水まわりトラブルは管理会社や家主に連絡を!

入居中に付帯設備の故障、水まわりのトラブルなどが発生した場合、修理業者へ連絡する前に管理会社・家主へ連絡をしてください。
トラブル発生に備えてあらかじめ修理業者への依頼や修理費用の負担についても確認しておきましょう。

賃貸住宅を退去する時の注意

退去時には、部屋を元に戻す必要があります。
通常の使用や年数の経過による汚れやキズにあたる箇所を除いて、原状回復費用を入居者が負担することになります。
また、契約時に支払った敷金(保証金)は、退去時に原則として、全額返還されます(契約内容によって異なる場合もあります)が、清掃・修理代など原状回復費用が発生する場合は、敷金(保証金)から差し引かれます(敷金を上回る場合は、追加で支払うことになります。)。

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」で原状回復の考え方が示されています。

退去時の原状回復トラブル防止のため、国土交通省が、原状回復の費用負担のあり方等についての一般的な基準として示したものです。
「原状回復」は「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されています。

「通常の使用を超えるような使用」が原因による損耗等の一例

  • 不注意やペット飼育が原因による、フローリングや柱に付けた傷、シミ、カビ等
  • 落書きや、タバコ等のヤニや臭い
  • 壁の下地ボードの交換が必要な程度の釘穴やねじ穴等
  • 結露を放置したことにより拡大した、カビやシミ等
  • 手入れを怠ったことが原因による風呂、トイレ、洗面台の水垢、カビ等
  • 掃除、手入れを怠ったことが原因によるガスコンロ置き場、換気扇等の油汚れ

「通常の使用の範囲」による損耗の一例

通常使用による自然的な劣化・損耗等については貸主が負担すべきとされています。
  • 家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
  • 日照等自然現象が原因によるクロスや畳の変色、フローリングの色落ち等
  • 壁等の画鋲、ピンの穴(下地ボードの交換が必要でないもの)
  • 次の入居者を確保するためのグレードアップの要素のある、畳の裏返し・替え、フローリングワックスがけ、網戸の張替え、専門業者によるハウスクリーニング
  • 機器の寿命による設備機器の故障、使用不能

賃貸住宅トラブル防止のポイント

入居時

  • キズや汚れがないかチェックし、気になる場所があれば、日付の入った写真を撮り、間取り図などに場所を記録しておきましょう。
  • 「ハウスクリーニング代は入居者負担」など特約が付いている場合もあります。契約前に契約書や重要事項説明書を必ず読んでおきましょう。

入居中

  • こまめに掃除をし、カビや油汚れに気を付けましょう。
  • 「ペット不可」の部屋でペットを飼うなど、契約違反はしないよう注意しましょう。

退去時

  • 荷物をすべて出し、部屋をきれいに掃除しておきましょう。
  • 部屋の状況確認は家主や管理会社と一緒に行ってください。
  • 修繕費用を請求され、請求内容に納得できない点がある場合は、家主や管理会社に説明を求めましょう。

不審・不安を感じた場合、トラブルが発生した場合、一人で悩まずに最寄りの消費生活センターへ相談しましょう。

悪質商法や契約トラブルなど、不審な点や不安に感じることがある場合は、神戸市消費生活センターにご相談ください。
ご相談に対する助言、クーリング・オフに関する手続き方法の説明、専門機関の紹介など、解決に向けてお手伝いいたします。
神戸市消費生活センター

場所

神戸市中央区橘通3-4-1 神戸市立総合福祉センター5階

相談専用電話

月曜日~金曜美 078-371-1221 または 188(消費者ホットライン)
土曜・日曜・祝日 188(消費者ホットライン)
※12月29日~1月3日は除く

相談時間

月曜日~金曜日 9時~17時(来訪相談は16時30分まで※)
※お電話でご相談のあった方で来訪相談が必要となった場合のみ来訪相談の予約をお取りします。 まずはお電話でご相談ください。3月プレス資料

土曜・日曜・祝日 10時~16時(188(消費者ホットライン)への電話相談のみ)
※12月29日~1月3日は除く

土曜・日曜・祝日は、独立行政法人国民生活センター(東京)につながります。
188(消費者ホットライン)は、携帯電話会社の通話料金定額サービス等でも別途ナビダイヤル料金が発生します。