ホーム > 環境 > 地球温暖化対策 > 水素の活用(水素スマートシティ神戸構想) > 水素サプライチェーン構築実証事業(海外から液体にした水素を船で運ぶ実証)
最終更新日:2025年7月7日
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水素が身近なエネルギーとして利用されるためには、安価かつ安定した水素の流通が必要です。
水素を大量に製造し、効率的に輸送・貯蔵し、利用するまでの流れ(サプライチェーン)を確立していくことが大切です。
オーストラリア・ビクトリア州にある炭田より採掘される褐炭を用いて、現地にて水素を製造します。
オーストラリア・ビクトリア州の褐炭採掘場
写真提供:HySTRA
褐炭とは、石炭の種類の一つです。石炭は炭化の度合いによって分類され、石炭化度が高い順に、無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、褐炭、亜炭等に分けられます。石炭火力発電では主に瀝青炭が利用されますが、褐炭は瀝青炭と比較し、水分量が50%~60%と多く低品質で、乾燥させると自然発火しやすいなどの特徴を持つことから、輸送に適さず、これまで採掘された炭田周辺での利用にとどまっていました。
この褐炭を活用し水素を大量に安価に「つくる」技術の実証に取り組まれています。
将来、水素が身近なエネルギーとして利用されるためには、安価で安定した水素の流通が必要となります。そのためには、水素を大量に製造し、効率的に輸送する技術が必要となります。そこで、水素を安くつくるポテンシャルのある海外から水素を運搬する技術の実証を行っています。
液化水素運搬船 すいそふろんてぃあ
写真提供:HySTRA
遠く離れた海外から水素をガスの状態で運搬することは非効率です。しかし、水素ガスは-253℃へ冷却すると、液体となるため、体積を1/800に圧縮することができます。本実証にて作られた、液化水素運搬船にて、水素を長距離輸送する技術の実証に取り組まれ、2022年2月に日豪実証航行に成功しています。
海外から運んできた液化水素は、国内で使用するため、運搬船から地上へと荷揚げを行い、貯蔵されます。神戸空港島にある「神戸液化水素荷役実証ターミナル」では、水素を荷揚げして、ためておく技術の実証事業が進められています。
神戸空港島の液化水素貯蔵・荷役基地 Hy touch神戸
写真提供:HySTRA
この施設に作られた、タンクの容積は2,500m3で、国内最大の大きさになっています。このタンクは真空断熱層を有しており、外部からの熱を遮断することで、液化水素のまま長期間貯蔵することが可能です。
技術研究組合 CO2 フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)
(構成企業)
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)