1400年の歴史をもち、「日本三古泉」「日本三名泉」と名高い有馬温泉。
有馬の褐色で高温の温泉は「金泉」と呼ばれ、昔から多くの人が湯治に訪れ、愛されてきました。
その金泉が湧き出る「泉源」は、100℃近い温泉のため湯気がもくもくと立ち上り、温泉街らしい景色を演出する人気の観光スポットです。
▼有馬温泉エリアガイド
有馬温泉(神戸公式観光サイト「Feel KOBE」)
有馬温泉で心どきどき泉源巡り
火山がないのに高温の温泉が湧く世界でも珍しい有馬温泉の神秘に満ちた泉源を巡ってみましょう。
まずは「ねね橋」からスタート!
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神戸電鉄「有馬温泉」駅を下車し、まず目を引くのが有馬川の上を渡る、鮮やかな朱色のねね橋。
その名のとおり豊臣秀吉の正室ねねが名前の由来です。
豊臣秀吉も有馬を愛し足しげく通った偉人のひとりです。
橋を渡ると遠くを見つめるねね像が見えます。
ねねの視線の先には太閤秀吉が。
実はこの2体の像は見つめ合っているんです。
金の湯
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有馬温泉の「金泉」が楽しめる外湯です。
源泉から直接引いた濃厚で熱い湯が人気の理由。
「あつ湯」は初めての方は飛び上がるほど熱いとの噂も……?
無料で楽しめる「太閤の足湯」は欠かせない観光スポット。
温泉が出る付近のお湯は確かに熱い!思わず足を引っ込めてしまう観光客の方もよく見かけます。
足をつけやすい服装でお越しください。
有馬本温泉金の湯
湯本坂
土産屋や飲食店が軒を連ねる温泉街らしい風情ある街並みが楽しめる湯本坂。
ここにしかないお店がたくさんあるので思う存分散策しよう。
天神泉源
写真スポットとしても有名な赤いポストを曲がると早速一つ目の泉源に到着。
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天神社の境内から金泉が湧き出す有馬温泉を代表する泉源です。
さきほどの「金の湯」の温泉もここから引湯しています。
【天神泉源】
泉質:金泉(含鉄・ナトリウム-塩化物強塩高温泉)
泉温:99.4℃
深さ:206m
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鳥居とボコボコと湧き出る泉源の組み合わせが珍しい。
妬(うわなり)泉源
再び湯本坂に戻り、先に進むと突然赤い鳥居と祠を発見。
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近くの看板を読むと昔はここが妬泉源だったとか。
そして横の小さな路地を進むと……。
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にょきっと現れる高い櫓が特徴的な今の妬泉源が!
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昔、美人が泉源の前を通ると嫉妬してお湯が噴き出したことからこの名がつけられたといわれています。
近づくと温泉特有の匂いを強く感じられます。
【妬泉源】
泉質:金泉(含鉄・ナトリウム-塩化物強塩高温泉)
泉温:100.5℃
深さ:187m
炭酸泉源公園
湯本坂に戻り右手に進んでいくとタンサン坂へ。
なかなか登り甲斐のある坂を踏ん張って進んでいくと炭酸公園が見えます。
美しい緑に囲まれた空間は涼やかでほっと一息つけます。
炭酸泉源
公園の奥に炭酸泉が飲める蛇口を発見。
※飲まれる際は「
飲用における温泉の掲示内容(効能など)」をご確認いただき、体調に合わせてお飲みください。
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炭酸泉源はその名の通り炭酸ガスを含んだ冷泉で、昔は砂糖を入れてサイダーとして飲まれていました。
有馬温泉名物の炭酸せんべいは、炭酸水を使って作られていたため、名前の由来となっています。
【炭酸泉源】
泉質:銀泉(含二酸化炭素・鉄-単純冷鉱泉)
温度:18.3℃
深さ:13m
銀の湯
タンサン坂を下っていくと二つ目の外湯、銀の湯が見えてきます。
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最初に訪れた金の湯は褐色で高温の金泉が楽しめますが、銀の湯はさきほどの炭酸泉と、山の奥から湧き出るラジウム泉が混ざった「銀泉」と呼ばれる無色透明のお湯で、特に女性に好評な温泉です。
お得な2館共通券も販売しているのでぜひ金銀入り比べてみてください。
有馬温泉銀の湯
極楽泉源
銀の湯のすぐ隣、小さな路地の奥には極楽泉源があります。
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太閤秀吉が造らせた湯殿へ金泉を送っていたといわれる泉源で、「願いの湯」と呼ばれていました。
他の泉源に比べて小ぶりですぐ手が届きそうですが、高温の温泉が流れているのでそっと見守りましょう。
【極楽泉源】
泉質:金泉(ナトリウム-塩化物高温泉)
泉温:98.1℃
深さ:240m
太閤の湯殿館
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秀吉が入ったとされる岩風呂遺構が出土した状態で展示してあり、当時の温泉文化を知ることができる貴重な資料がたくさん見られます。
金の湯、銀の湯の入館券とセットになったお得な共通券も販売中。
太閤の湯殿館
行基菩薩像
太閤の湯殿館からさらに下っていくと温泉寺の向かいに有馬観光交流センターがあり、その入り口にたたずんでいるのが行基菩薩像です。
「有馬温泉史話」によれば、舒明天皇・孝徳天皇の度重なる行幸により世間に名を知られるようになった有馬温泉ですが、その後天災などにより徐々に衰退に向かっていったといわれます。
これを再興し有馬温泉の基礎を開いたのが名僧行基です。
奈良時代に行基菩薩が温泉寺を建立し、鎌倉時代には仁西上人が十二の宿坊を建て、さらに太閤秀吉公は、湯治のためにたびたび有馬を訪れ、戦乱や大火で衰退した有馬の改修を行い、湯山御殿(太閤の湯殿館に湯船の遺構が現存)を建て有馬を繁栄させました。
こうした歴史が今の有馬につながっているんですね。
御所泉源
有馬観光交流センターを後に足を進めるとまたしても泉源の気配が……。
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上から眺めると丸い形が可愛いく、写真スポットとしても人気の御所泉源。
各旅館へ温泉を届ける管が横から伸びていますが、裏の路地では地面の下を通る温泉の湯気が上って雰囲気抜群。
夜にはライトアップされ、さらに幻想的な雰囲気を醸し出します。
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【御所泉源】
泉質:金泉(ナトリウム-塩化物高温泉)
泉温:63.9℃
深さ:165m
もっと有馬温泉を散策しよう!
市有泉源をぐるっと見てまわりましたがいかがでしたか。
紹介しきれませんでしたが有馬温泉には他にも歴史ある神社仏閣や素敵な路地、自然など見どころがたくさん。
季節ごとに違う顔を見せる有馬温泉をすみずみまで楽しんでください。
今回巡ったルート(PDF:1,003KB)
こちらもチェック!
有馬温泉観光協会HP
有馬温泉エリアガイド
有馬温泉モデルコース
六甲山有馬温泉縦断モデルコース
湯守の存在
様々な温泉成分が含まれる効能豊かな金泉。
その泉源を守り続けている「湯守」の皆さんがいます。

安定した供給のためには、100℃前後にもなる高温の泉源と毎日向き合い、きめ細かな維持管理が欠かせません。
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運が良ければ有馬温泉の街中で遭遇できるかもしれません。