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有機フッ素化合物(PFAS)

最終更新日:2025年2月21日

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有機フッ素化合物(PFAS・PFOA・PFOS)とは

性状

  • 炭素とフッ素の結合をもつ有機フッ素化合物のうち、ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物の総称で、10,000種以上存在するとされています。
  • 撥水・撥油性、熱・化学的安定性等の物性を示すものがあり、中でも特に、PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は金属メッキや泡消火薬剤、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)は界面活性剤などに使用されてきました。
  • しかし、体内に蓄積しやすく、自然界で分解しないことが知られています。
  • 現在では製造・輸入が禁止されているため、PFOS・PFOAを含む製品が新たに流通することは想定されません。

人の健康への影響

  • 動物実験では、PFOS・PFOAは、肝臓の機能や仔動物の体重減少等に影響を及ぼすことが指摘されています。
  • 人においてはコレステロール値の上昇、発がん性、免疫系等の関連が報告されています。
  • しかしながら、どの程度の量が身体に入ると影響が出るのか、いまだ確定的な知見はなく、現在も国際的に検討が進められています。
  • 国内ではPFOS、PFOAの摂取が主たる要因と見られる健康被害が発生したという事例は確認されていません。
  • 食品の安全性を科学的に評価する国の機関である食品安全委員会では、「現時点での情報は不足しているものの、通常の一般的な国民の食生活(飲水を含む)から食品を通じて摂取される程度のPFOS及びPFOAによっては、著しい健康影響を生じる状況にないと考えられる。(2024年6月)」と評価しています。

暫定目標値(暫定指針値)の考え方

  • 2024年6月、「有機フッ素化合物(PFAS)の食品健康影響評価」において、耐容一日摂取量(TDI:ヒトが一生涯にわたって食品から取り続けても健康に影響が出ないとされる体重1kgあたりの1日分の摂取量)として、PFOS20ng/kg/日、PFOA20ng/kg/日とすることが妥当であると報告されました。
  • この値を用いて、体重50kgの人が水を一生涯にわたって毎日2L飲用する条件において、飲料水からのPFOS等の摂取量がTDIの10%以下となるよう、安全側に立って計算すると、PFOS・PFOAそれぞれで暫定目標値の50ng/Lとなります。これをさらに安全側の観点から、PFOS・PFOAの合計値として50ng/Lを水道水の暫定目標値(河川等の場合、暫定指針値)としています。
計算式
  • 現在、水道水については、この暫定目標値を「水質基準値」とする方向で検討が進められています。

神戸市の取り組み

水道水の水質管理

  • 神戸市では、2020年度以降、既に水質基準項目に準じて、浄水場系統ごとにPFOS及びPFOAの水質検査を年4回実施しています。
  • PFOS及びPFOAの合算で50ng/Lを大きく下回っており、安心して水道水をご利用いただけます。
  • 検査結果はホームページにで公表しています。

明石川における水質調査

  • 現在、河川には環境基準が設定されておらず、暫定的な目標値(暫定指針値:PFOS及びPFOAの合計値として50ng/L以下)が設定されています。
  • 明石川では、暫定指針値を超えるPFOS・PFOAが確認されて以降、国の「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き(令和2年6月)」に従い、河川の水質調査を行っています。
  • 水質調査の結果、暫定指針値を超過した場合には、その上流部や明石川に流れ込んでいる支流を調査するなど、詳細な状況把握を行っています。
  • 2020年度から2024年度(2024年11月)までに計36地点、のべ187回水質調査を行っています。

調査結果

最新の測定結果
2023年度以降の測定結果
追加調査
  • 特に高い測定結果であった地点では、より詳細に調査地点を設定(可動堰や川幅を考慮した地点設定)し、水質調査を行っています。
  • あわせて、河川の状況(河床の状況、不法投棄物の有無、湧水等の発生状況)、周囲の状況を現地踏査により確認しています。

その他の河川・湖沼・海域

公共用水域(河川・湖沼・海域)常時監視結果

地下水の水質調査

  • 地下水は、市域の全体的な状況を把握するため、2021年度より市内各地で水質調査を行っています。(年1回)
  • 暫定目標値を超過した地点では、次年度も継続して水質調査を行っています。
  • なお、神戸市では地下水(井戸水)は水質の安全性が確認されていないことが多いため、飲用には水道水を利用するようお願いしています。

国の検討状況

PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議(目標値会議)

人の健康の保護に関する環境基準等の設定や、それに付随する事項が検討されています。
2023年1月以降5回開催されており、2024年12月開催の第5回会議では、PFOS及びPFOAを「水質基準項目」とし、水質基準値は(安全側をみて)PFOS、PFOAの合算値として「50ng/L」とする方針が固められました。(施行時期:令和8年4月1日)
この方針を受けて、国の中央環境審議会で現在、水質基準の見直しに向けた検討が進められています。

PFASに対する総合戦略検討専門家会議(専門家会議)

PFASに関する国内外の最新の科学的知見及び国内での検出状況の収集・評価及びこれらを踏まえた科学的根拠に基づく総合的な対応を検討が行われています。
2023年1月以降5回開催されており、「国民への情報発信のためのQ&A集」「PFASに関する今後の対応の方向性について」をとりまとめられました。

食品安全委員会有機フッ素化合物(PFAS)ワーキンググループ

PFASのうちPFOS,PFOA,PFHxSについて、食品健康影響評価の対象として、約3,000の文献から科学的知見の収集・整理を行い、2024年6月に評価書が取りまとめられました。

  • 疫学研究からはPFOS、PFOAと健康影響との関連が「ある」という報告と「ない」という報告があり、PFOS・PFOAとの関連については確かなものとは言えない。
  • 現時点で得ることのできたデータ、科学的知見から、一日耐容摂取量(TDI)はPFOS、PFOAとも20ng/kg/日とすることが適当である。
  • 現時点での情報は不足しているものの、通常の一般的な国民の食生活(飲水を含む)から食品を通じて摂取される程度のPFOSおよびPFOAによっては、著しい健康影響を生じる状況にないと考えられる

PFASに関するQ&A

PFOS、PFOAに関するQ&A集

PFASに関する情報(環境省ホームページ)

お問い合わせ先

環境局環境保全課