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最終更新日:2024年12月20日
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みなさんこんにちは。神戸市役所で本プロジェクトのプロジェクトコーディネータをしております金田です。本日みなさんにお伝えしたいことは、食の多様性をみなさんにも担っていただけないか、そういうお誘いになります。
何もないところから始めた本プロジェクトですが、二つの大きなメディアで取り上げられています。どちらのメディアにも、「耕作放棄地」「古代小麦」そして「パン」とあります。実は今、企業に参画いただけるベストタイミングであり、拡大フェーズに入る所で、企業のニーズを反映することも可能なんです。
それでは今回のプロジェクトに至る背景を3つ紹介します。①食物アレルギーは急増しており、以前では見られなかったお米なんかでもアレルギーを発症する報告が出ています。
そして、②作らなくなった土地、耕作放棄地が増えていて、でも③日本の食料自給率は皆さんご存知の通り38%と相変わらず低いまま。カナダやオーストラリアが200%を超え、穀物輸出国なのに。
このような大きな食の課題に挑むにあたり、神戸市も当然強みを活かしていかなければ解決の糸口を掴めないと考えています。先程市長からもご説明がありました通り、田んぼや畑のある里山と人口の多い大都市圏が密接している神戸ならではの強み、物も人もコストがかからず行き来できるということです。
私自身、民間の大手精密機械メーカーから転職してきたのですが、当時はマーケティングでちょっとのスペック変更を大きく見せたり、人の欲望を刺激したりしていたのですが、今市役所では、このようにまだ解決されていない本質的な課題にチャレンジできており、私自身ワクワクしています。
解決策を2つにまとめました。1つ目、お年寄りが自分の田んぼを管理する従来の1対1の関係から、1つの田んぼ・畑を都市部から色んな若者を呼び込んで1対多の関係で耕作する挑戦を行ってきました。それを成し遂げるのが神戸市であり、信頼・クレジットなのです。
2つ目、では集まっていただいた方々に何を作ってもらうのか。古代小麦に我々は目をつけました。北海道で一部作られてはいるものの、まだまだ希少でブルーオーシャンだと思っています。そして、育てやすくて、香ばしくておいしくて、アレルギーも出にくい可能性があると言われています。ではなぜみんな作らないのか、収穫量が少ないからなんです。でもこのデメリット、耕作放棄地でやる以上はそれほど問題にはなりません。
我々が1000平方メートル、少なくなく、かといって広大でもないここから挑んだ一年です。安心できる食べ物をまずは古代小麦で、市内の神戸市北区の里山で、耕作放棄地を活用して、マイナスをプラスに転じようと、チャレンジしてきたプロジェクトです。
成果として、パンまで作ることができました。この9月に無事、こどもの口まで届けることができました。普通の小麦に加えて、米粉パンもあり、そして古代小麦も選択できる、新しい食の多様性です。そして、お母さんが安心して我が子の口に運べる食べ物、これが我々の成果です。
当然、簡単にこのような成果に至ったわけではなく、怒涛の日々でした。1つご紹介しますと、今日企業の皆さん来ておられますので、製粉事業者さんに助けて頂いた話です。普段トン単位でないとどこも製粉してくれないのを、今回は特別に賛同いただいて、小ロット対応していただけたことで、本日我々この事業をみなさんにご紹介できています。
また、2つのミニサーキュラーエコノミーがあり、牛の運尿を発酵させた液肥や、都市部で飲まれたコーヒー残渣をバイオ炭にしたものを土地の改良材として、耕作放棄地に撒いています。
「耕作放棄地の再生と新たなフードチェーン構築プロジェクト」の紹介ページもご覧ください。
神戸市役所の岡田です。里山を子どもたちの未来につなぐためのプロジェクトについてご説明します。
里山は、里山に住む人々の手で維持されてきましたが、高度経済成長を経て、都市化・高齢化の影響で担い手が減少し、日本各地で荒廃が進んでいます。里山の荒廃は、里山だけの問題ではなく、食糧自給率低下、森林資源喪失など、都市住民にも具体的に影響のある問題です。今日ご紹介するのは、里山の恵みが人々の暮らしに直結していることを再認識し、現代にあった新しいやり方で里山を再生するためのプロジェクトになります。
皆さんに今日お伝えしたいキーワードですが、私は「里山再生=DIY」だと考えています。自分達の手で里山整備をやるという意味です。里山は昔から里山住民の手で維持されてきましたが、担い手が減少した今、都市住民も含めた多様な主体の手=DIYで、最新技術も使いながら取り組む。これが現代版里山再生だと考えています。都市住民にDIYの取り組みを広げるため、駅近の里山エリアに、里山DIY拠点として「(仮称)KOBE里山SDGsベース」をつくります。
「KOBE里山SDGsベース」では、昔ながらの知恵の継承も含めて、木の切り方や農機具の使い方等の講座を開講するとともに、気軽にDIYを始められるよう草刈機等のレンタルも行います。木登りなど、子どもたちが全身を使って遊ぶ機会を提供するとともに、遊具等を親子で木を伐って作るなど、里山の価値を再認識する場所にもしたいと考えています。
このプロジェクトは「SDGs貢献都市神戸」が、里山を日本の子どもたちの未来へつなぐためのチャレンジです。DIYの取組みを日本各地の里山問題の解決へ広げていきたいと考えています。神戸で広げる取組みの一例ですが、みなさんは神戸にもコウノトリが飛来することはご存じでしょうか。例えば、コウノトリが定着できるような里山整備をDIYで取り組むことなどを考えています。
「里山再生拠点を「DIY」でつくるプロジェクト」の紹介ページもご覧ください。
神戸市役所の長井と申します。ここまでは神戸の里山に関するプロジェクトのご紹介でしたが、私からは神戸のシタマチに関するプロジェクトについてお話しさせていただきます。
そもそも「シタマチ」と聞いてみなさんはどのようなイメージがあるでしょうか。「くらしの近くに商工業がある」「人との距離感近め」「高齢者が多くアクティブ」「にぎやか」といったイメージでしょうか。
神戸のシタマチ新長田エリアも、かつて多くの人々が集い、にぎわいを見せていました。しかし、阪神・淡路大震災によって、甚大な被害を受け、人や街は大きく傷つきました。そんな中でも、様々な方々のご尽力により、新長田駅南地区では「災害に強いまちづくり」や「住商工の再配置による復興」等を目指した再整備事業が進められてきました。
その結果、夜間人口は震災前の1.4倍まで増加してきています。そして、震災から30年をまもなく迎える中、再整備事業が完了します。一方で、街並みを見てみると、もう少しにぎわいが欲しいといった印象です。
そこで、30年前のシタマチのにぎわいを取り戻すため、今回のプロジェクトを企画しました。全国各地で災害が起こっている中、大災害を経験して30年経つ都市は神戸の他にはありません。一方で、当時のにぎわいの記憶を持っている人は減りつつあります。震災30年をむかえる今、復興の道しるべとして「継承」から「創造」へチャレンジしていくタイミングではないでしょうか。ハードの整備の次は、ソフトの充実・持続可能なまちづくりへ向けた取り組みです。
プロジェクトの具体的な取り組みとしては、シタマチ文化と言われる「地域で子どもを見守ってくれる、人と人の関係が温かい街」であったり、ものづくり企業が集積していたり、空き店舗などの活用可能性があるストックが残っているなど、新長田エリアの特徴を最大限活かしたものにできないかと。そこで、高齢者や障がい者、子どもなど地域の様々な人が「担い手=先生」になる持続性のある次世代育成の場・仕組みを創出できないかというアイデアです。
まずは地域の方々の思いやニーズをお聞きするため、2025年5月に長田エリアの未来を考えるイベントを開催できればと思っています。このイベントでは、防災や木育など様々なテーマを楽しみながら学ぶことができるイベントを官民一体で複数開催します。そのうえで、地域のみなさんとともに未来を考え、新たな地域活性化の端緒や機運の醸成を目指すきっかけにしたいと考えています。
あくまで個人的な展開イメージ案ですが、例えば地域の空き店舗や空き家を活用し、高齢者をはじめ地域の方々が次世代の創造性を育む場を創出するようなことにつながればと思っています。それにより、地域の高齢者などの活躍の場にもなり、子どもを中心としたシタマチらしいにぎわいづくり・まちづくりを思い描いています。まずはそのきっかけとしてのイベント開催に向けたご支援・ご協力をお願いします!
神戸市役所の宮川です。私からは「海洋貢献都市・神戸から挑む海の未来づくりプロジェクト」と題しまして、神戸市がこれから挑戦したい新しい海の取り組みについてご紹介させていただきます。
皆様ご存じだと思いますが、今、日本や世界の海では、様々な問題が起こっています。一方、海はまだまだわかっていないことも多く、未来の豊かな暮らしにつながる可能性を秘めています。ただ、問題解決や未来につながる技術の開発というのは、発展途上の部分が多いのも現状としてあります。
神戸は海と山が近い立地的な特徴を背景に発展してきたみなとまちです。そのような神戸としては、これからは、先ほどご紹介した海の問題解決や未来へつながる技術を育て広げていくような未来志向のみなとまちとして、違うステージへ進んでいくべきなのではないかと考えています。
それでは、プロジェクトの中身についてご紹介します。まず、市内での実施拠点として、例えば須磨エリアを考えています。中心地から電車でわずか20分の距離に美しい海岸が広がるのが須磨エリアです。明石海峡大橋も近く、また、神戸の中でも特に山と海が近い場所であり、水族館やホテルの建設もされています。また、明日には釣り公園がリニューアルオープンするなど、大変ホットなエリアです。
こうした神戸の海を拠点に、サステナブル技術を育てていきます。海洋関連学部を有する神戸大学との連携のもとに民間企業にも参画いただきまして、神戸市が所有する施設を活用し、産官学でサステナブル技術を実践します。例えば、藻場造成とモニタリングや海洋生分解性プラスチックの活用した商品開発など、これらはあくまでイメージですが、こういった海の問題解決や未来につながる技術を神戸で育てていきます。神戸市は、フィールドを調整し支援します。
また、単に産官学で技術実証をおこなうだけでなく、次世代の参画もねらいます。学生による取り組みの発信や、地元の子どもたちに海の未来の技術と、神戸の身近な海の問題、例えば神戸のノリ養殖を悩ます黒鯛に関すること等、両方を学ぶようなプログラムを展開し、次世代を育てていきたいと考えています。
そして、ここが一番重要と考えているのが、これらの取り組みを神戸での実践に終わることなく、瀬戸内海など広域へ展開していくことです。技術の横展開や、フィールドの共有化などを図りながら、神戸が瀬戸内海の取り組みをリードしていくような存在になっていきたいと考えています。
「海の未来づくりプロジェクト」の紹介ページもご覧ください