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第5回オープンミーティング「私のワーク・イン・ライフ」開催レポート

最終更新日:2025年4月7日

ページID:78974

ここから本文です。

2025年3月13日(木曜)神戸市中央区の東遊園地にある「アーバンピクニックラウンジ」で「私らしさプロジェクト」の第5回オープンミーティングを開催しました。公園に面した壁が全面ガラス戸になった、明るい素敵な空間です。今回は、ソーシャルビジネスを展開する女性4名に登壇いただき、活動を始めたきっかけや課題と感じたことなどについてお聞きしました。

登壇いただいたのは以下の方々です(敬称略)

  • 子育てサロン「板宿ママン」主宰 伊藤尚子
  • is代表/三宮センター街1丁目商店街振興組合まちづくり担当/コネクトKOBEコモンズ代表 井上小矢香
  • 古民家コトノハ主宰 小田さくら
  • Ray Kids School主宰/Ray海事法務事務所 平原麗子

自己紹介

冒頭、今回のオープンミーティングでモデレーターを担当していただく神戸新聞社の石川翠記者から、これまでに実施した4回のオープンミーティングについて、簡単に振り返りを行いました。

※詳細は私らしさプロジェクトページに掲載している各回の開催レポートをご確認ください。

これまでのイベントを振り返っている様子

続いて自己紹介。現在の活動内容についてお話しいただきました。

伊藤:「板宿ママン」という名前で、市場の空き店舗を活用したママのコミュニティをつくる活動をしている。市場の会長と知り合いが空き店舗の活用について話している場に居合わせ、「それ楽しそうやな」と言ったところ、30分後にはなぜか自分がオープンすることになっていた。やってやるぞ意識で始めたわけではないが、楽しいことをいっぱい見つけながら、10年活動を続けている。

井上:設計事務所や神戸芸工大の助手を経ながら個人事業を立ち上げ、三宮センター街1丁目の再開発へ向けたエリアマネジメントなどを担当している。「若者たちの繋がりが少ない」、「街で活動していくのに一人では限界がある」と感じ、去年5月に神戸で活動する35歳以下の若者を集めた「コネクトKOBEコモンズ」を立ち上げた。神戸の街についての研究を発表する機会作りなどに取り組んでいる。

小田:妙法寺にある古民家カフェの代表をしている。出産を機に住宅メーカーを退職し、子どもがいるからこそできる仕事を作ろうとNPOに入った。その後、子ども関係のソーシャルビジネスとパートナーの飲食業を融合させた「古民家コトノハ」を立ち上げた。築200年の古民家では、飲食の営業をしながらこども食堂や地域イベント、竹を使った放置竹林再生ワークショップなども実施している。

平原:少子化対策が進んでいないことから、子育て中の方の負担を減らすため、すぐに子どもを預けられる一時保育施設を立ち上げた。音楽や英語、クッキングなど、子どもの可能性を伸ばす様々な学習サポートを実施している。また、海事法務事務所を経営しており、PMSや生理痛などについても気軽に相談できる窓口として、数少ない女性船員の支援も行っている。

なぜその道を選んだのか

伊藤:勤務時間と保育園に子どもを預けられる時間にギャップがあり、ワンオペで限界を感じたため、フリーランスな保育士としてできることなどを模索した。保育士の先生と話をしていると、何か答えが欲しいわけじゃないけど、話してすっきりすることが多かった。それで、私がしたい子育て支援は、お母さんの話し相手になってあげることじゃないかと気づいた。活動を始めるにあたり、個人では申請できない神戸市の補助金を市場に申請してもらった。ウェルカムな人もいれば、そうでない人もいて、理解を得るのが大変だった。立ち上げから当面の間は、補助金があり有難かった。

井上:選んだというよりは動いてきた結果だと思う。20代で設計事務所に所属していた時、帰宅は深夜で、家と職場の往復だけでは心が詰まると思って、毎晩街で飲み歩いていた。街のおじさまたちとよく飲んでいました(笑)。また、神戸に住むからには人脈を作ると決めて動いていたので、それもあって商店街の方とも繋がり、今の仕事にも繋がった。30代になり同世代とは「結婚したい」、「早く子どもが欲しい」などの話題や、実際に結婚、出産していく仲間が増えていくと、「それを望まない自分はあかんのかな」と不安になることもあるが、色々な経験も経て今に満足している。大学助手時代に個人事業を立ち上げ同時並行でやっていたが、キャパを越えて体調を壊したことをきっかけに、自分の心や感情を一番大事にしようと、大学助手の任期を終えて個人事業としてやっていくことにした。

小田:住宅メーカーの時は、始発・終電の生活だったけど楽しかった。28歳で結婚したが、キャリアを積みたいと思っていた。そろそろ子どもがほしいと思った時、すぐにはできず、不妊治療で4~5年かかった。当時は、男性の上司に不妊治療で急遽休むことの理解を得るのが大変だった。一度流産したことで、会社から「流産すると大変だから早めに退職したら」と言われ退職したが、もう少し先のことをよく考えればよかったと後悔した。出産後、戻りたいと思ったこともあったが、仕事の大変さや仲間のことを考えると中途半端では戻れなかった。働きたくて、働いているパートナーを見ているといいなと思ったし、自分で稼いだお金じゃないしな、とお金を使うことに罪悪感を感じることもあった。NPOの時は、自分の課題を解決する=他の人の悩みの解決に繋がると考えていた。子どもが大きくなるにつれて悩みも変わり、次のステップに上がろうと今の活動を始めた。

平原:子どもの頃から社会課題を解決したいと思っていた。ずっと少子化と言われ続けているのに、保育業界が何も変わっていないため、自分が強い意志を持って立ち上げた。27歳で結婚したが、夫が育児ノイローゼになり、離婚したことが後押しとなった。国籍問わず、地域関係なく、いつでも誰でも預かれるようにしている。音楽に取り組んでいたことから、古民家を借り、リトミック教室を無料開放していた。前の教室の片付けがちゃんとされていないことがよくあり、自分だけのスペースを借りてやろうと思った。預けやすい金額設定にして、自分の子どもも一緒に見ている。

大変だったこと・女性ならではの困難

平原:私が運営している保育施設は、人数配置などは認可保育園と変わらないのに、申請上、無認可保育に分類されており、助成金などの待遇が異なる。ピックアップをしたり、21時まで預かったり、人に寄り添ってやっている保育業をもうちょっと見てもらいたい。本気で少子化対策をしたいのであれば、現場を知ってもらいたい。規定を守りつつ、一人一人の命を大切に、かつ、子どもの成長を見逃さないように、子どもを良い方に伸ばしていける環境を作ってもらいたい。

小田:10年以上ソーシャルビジネス(社会課題をビジネスで解決)をテーマにしているが、こども食堂や学習支援をビジネス(飲食業)と併せて行うということを理解してもらうのが難しかった。福祉的なこと・地域のためにすること=すべて無料と考えている人がいて、また、株式会社でこども食堂やるってどういうこと?と思われることもあった。今では地域の中でも浸透してきて、「この場所がなくなったら困る」と声をかけてくださったり、地域の方も積極的に参加してくださり感謝している。

井上:私は周りからいつも元気で楽しそうに見られるし、そう見えるようにしている。実際はハラスメントを受けることもあり、独立して街のお仕事を始めて表に出ることも増えたからか、年上から嫉妬されることもある。今も悩むことはあるが、自分自身が強くなるしかないと思うし、味方で居てくれる仲間を大切に出来たら良いと思っている。ただ、共通の知り合いが多いと周りには相談しにくいこともあるので、オンラインで顔出しせずに相談できる場や、テキストで相談できる場があると嬉しい。

登壇者が話している写真
(写真提供:神戸新聞社)

伊藤:地域の会議は男性がほとんどで、19~20時頃に始まる。「皆さんでどうぞ」と言うと、SNS等に疎い方も多く、「伊藤さんが来ないと話がまとまらない」と言われる。板宿で仕事をした後、子どもの世話などをして、また板宿に行かないといけないということを理解してもらえていない。期待されているのはわかるし、話に取り残されるのも嫌で、諦めどころがわからない。人や準備にお金がかかり、それなりに単価を上げてきているが、子育て広場なのにその価格?と思われることもある。夫にも「お前はいいよな。好きなことして仕事やもんな」と理解してもらえていない。

パートナーとの協力関係など

伊藤:夫の協力はなく、一人でやった方が楽だと思っている。夫が同じ空間にいる中でのワンオペで、子どもも夫がいない流れに慣れている。「母親なのに子どもを優先せず、夜遅く会議に行って」とか、「保育士なのに自分の子を見ず、他所の子を見ている」と言われることもあった。母親である前に個人なので、一人の人として、自分がどこまでを短い子育ての間で楽しめるか考えている。そのために、夫や親戚以外で頼れる人を作り、家庭とのバランスを取っている。

井上:今は日々仕事が楽しく集中していたいと思っている。心許せるパートナーはいるが、互いに結婚が目的では無いので、自分たちのペースで良いと思っている。結婚することで色々な制約が増えるのであれば、私は縛られずに自由でいたいと思う。そしてパートナーだけでなく、神戸には助けてくれる仲間がたくさんいるのでとても心強い。

小田:最初の子どもができた時、パートナーの帰りは遅く、ワンオペ状態だったが、協力的ではあった。今は三人のこどもたちも小学生中学生と大きくなり、家族で仕事や家事の役割分担などを話し合いながら、上手くやれていると思う。下の子に「ママに家にいてほしい」と言われることもあるが、「なぜ働くのか」といったことを小さい頃からパートナー含め子どもたちとも話し合うようにしている。それぞれが自分のやりたいことで自立して自分の道を歩いてほしいと思っている。

平原:子育てに関しては、自分のキッズスクールに預けて、時々リフレッシュでエステなどにも行くし、海事法務事務所の仕事にも行っている。経営の悩みは周りの経営者に相談しつつ、パートごとに友人や会社など頼りながら生きている。

私らしく生きるために必要なこと

小田:やってみたいこと、思いついたことはどんどんチャレンジしたいので、口に出すようにしている。SNSでも発信しており、言葉にすることで、見た人が声をかけてくれる。「働く」ことが一番自己実現に繋がると思っているので、好きなことは諦めずにチャレンジしていきたい。私はわりと「助けてほしい」と言ってしまうタイプで、コトノハを立ち上げる時も、たくさんの方に協力していただいた。神戸市に何か補助がないか相談させていただいたり、竹に詳しい方に竹林の相談をして助けてもらったり、本当にたくさんの方に助けていただいて感謝している。日頃からアンテナを張り、発信することで、繋がりは増えると思う。

平原:子育ては機械でできないので、人がしないといけない。だからこそいつでも預けられる、いつでも頼れる、子育て世代に寄り添った神戸市になってほしい。私は音楽も、美容も、子育ても好きで、欲ばりな女性でも頼りたい時に頼りやすい社会になってほしい。子育て頑張ろう、仕事頑張ろうと前向きになれる社会を願っている。今は少子化で子どもの取り合い状態になっている。現場の声をしっかり聴いて、協力して、子育てしていける環境になってほしい。また、障害をお持ちの方とそうでない方がお互いを認め合う環境を小さい頃から作ってほしい。

井上:SNSでみんなに「私らしさ」を聞いたら、「ギャル」のイメージが強かった。私の中でのギャルは常に全力で真っ直ぐなので、私もそうで在り続けたい。それはポジティブなことだけでなく、ネガティブなことにも真っ直ぐ向き合って共有できると良いなと思う。今「独身税」という話題もあるが、独身こその大変さもある。いざという時に頼れる人がいないとか、結婚したくても出来ない人もいる。金銭面、体力面、メンタル面で大変なところはあると思うので、むしろ補助して欲しいところである。

伊藤:人脈作りも何もせず、急に箱を持ってしまい、外に出ていかず始めた孤独な仕事だった。先に人脈を作っていれば解決できたこともあったんじゃないかと思う。先に箱があったからこそ出来たこともあるが、今は箱を手放し、外に出て人脈を作っていけるようになった。今までは私がいないとダメな状態を作りすぎていた。今は人にも任せるし、私もやるときはやる。繋がりは本当に大切なので、もっと外に出て行きたい。そのために発信して、やりたいことを口に出していきたい。無理して人の求めていることに合わせず、自分が出来ることを精一杯やって、納得いただける方にきてもらえたらいい。

登壇者4名の集合写真
(写真提供:神戸新聞社)

登壇者のみなさま、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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