最終更新日:2025年3月14日
ページID:78479
ここから本文です。
司会:
それでは、3月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。
震災から30年、今、神戸のまちは、都心ウォーターフロント、また、郊外も含めて大きく変わりつつありますが、そのような中にあって、今日は王子公園の再整備、それからJR六甲道駅前広場のリニューアルにつきまして御説明を申し上げたいと思います。
王子公園の再整備ですけれども、2022年の12月に王子公園再整備基本方針を策定いたしました。新たな「原田の森」を創造する、学術・文化拠点のシンボルを創出する、王子動物園の魅力を向上させる、公園とスポーツ施設のリノベーションと魅力を向上させる、広域防災拠点の機能強化を行う、こういう基本方針を策定いたしまして、具体化を進め、2024年3月に再整備基本計画を策定いたしました。この基本計画に基づきまして、事業者の候補を行い、事業者の選定を進めてきたところです。
今日は、事業予定者からの提案の内容につきまして御説明を申し上げたいと思います。
事業者に提案を求めたのは、大学ゾーン、それから動物園ゾーン、これを除くエリアです。阪急の王子公園の駅前から緑の広場、シンボルプロムナード、立体駐車場、多目的広場、スタジアム、みんなの広場、登山研修所、こういうような施設を整備していくということが基本計画で決められているわけですけれども、その具体的な提案を事業者からいただいたというところです。そして、事業予定者からの提案内容につきまして御説明をするわけですけれども、まず、これが提案をいただいた内容のイメージですね。阪急の王子公園駅の上空から全体を見渡すというイメージです。この駅前、それから大学ゾーンがあり、そしてここは動物園になるわけですけれども、この間にシンボルプロムナードを整備すると、こういう予定になっております。
それでは、今の全体のイメージに基づく個々の施設の概要につきまして、まず新しく整備するスタジアムです。スタジアムの場所は、これは北東側から見たイメージですけれども、こういうイメージになります。公園の北側にはスタジアム、それから登山研修所、立体駐車場を整備するということになります。スタジアムの周辺には、幅広い年代の皆さんに楽しんでいただけるような多目的広場も整備をいたします。
スタジアムの、これ、現在のスタジアムですね。このスタジアムは、王子公園駅のすぐ北側になる施設で、供用が開始されたのは1956年ですね。もう70年近くが経過して、相当老朽化が進んでおります。
これが北側に新しく造るスタジアムですけれども、アメリカンフットボール、サッカーなどの競技が行える人工芝のフィールド、それから陸上練習用のトラックを整備するという内容で、災害時にはヘリコプター離発着場、あるいは救援活動拠点として利用できる防災拠点となります。地域に開かれたスタジアムとして様々なイベントにも活用できるような空間として整備をしていくと考えております。
次は広場です。現在、公園にはこういうわんぱく広場とかちびっこ広場があるわけですけれども、正直大変老朽化が進んでおります。陳腐化をしているというふうに申し上げてもいいと思います。
そこで、この場所としては、このスタジアムの西側にこういうイメージで、多世代が集うみんなの広場を整備いたします。遊具あるいは3x3コート、健康遊具などを新たに設置いたしまして、多世代が集うような交流の場としたいと考えております。
次は登山研修所です。登山研修所は、現在、王子公園の北東に立地をしておりまして、この登山研修所という施設は、これ、全国的にもかなり珍しい施設です。登山についての知識、また、基礎的な技術を習得できる施設として整備がされたわけですけれども、ほかの施設と同じように相当老朽化が進んでおります。
新たに登山研修所を整備するのは、スタジアムの西側に整備をいたします。ここはスタジアム、それから先ほど申し上げましたみんなの広場に隣接をしている場所で、今はちょっと奥まったところにあるイメージなんですけれども、市民の目に触れやすい場所として再整備をいたします。スポーツクライミングができるようなウオール、それから屋内にはボルダールームを設けます。登山技術が習得ができる、市民の登山への関心をより高める施設として整備をしたいというふうに考えております。
神戸市は神戸登山プロジェクトを進めておりまして、市民の皆さんにもっともっと山に親しんでもらいたいというふうに思っておりますけれども、そういうようなプロジェクトとの関連においても意義がある整備だというふうに思います。
それから駐車場です。今の王子公園の駐車場は、動物園の前、王子公園駅をすぐ出たところにあって、平面の駐車場です。アスファルトで舗装された空間が広がっているわけですけれども、決してこれは土地の有効な利用とは言えません。
そこで、再整備は、この大学のキャンパスの北側に立体駐車場としてこの辺りに整備をいたします。屋上にはテニスコート2面も整備をいたします。現在の平面駐車場を集約し、土地の有効活用にもつながると考えております。
このエリア、次ですけれども、今のこの駐車場の場所が、先ほどの立体駐車場ができて、ここが空くことになりますので、ここは阪急の王子公園駅からすぐ目の前にあるわけです。憩いとにぎわいのある、言わば公園の顔となるようなエントランス空間を設けたいと考えております。親水空間、イベントスペースも設ける緑の広場として整備をいたします。
この緑の広場も含めて、この王子公園は新たな原田の森、戦前から原田の森として親しまれてきたわけですけれども、新たな原田の森を創造するということ、つまり緑を再生させる、そして新たな緑を創出する。再生と創出を一体的に進めるということ。これが、基本整備方針をつくったときからの重要なコンセプトでした。というのは、現在も相当樹木があるわけですが、かなり木が、年数がたって腐れがある。それから倒木の危険もある。そういう樹木がかなりあります。こういう老朽化した園内の樹木を撤去する。それから、再整備に伴ってどうしても最小限樹木を伐採しなければいけないというところが出てきますが、これらも含めて、現在のこの樹木の本数、これは確保をして、現状以上の樹木の本数を確保したいというふうに考えております。このシンボルプロムナードですよね。このシンボルプロムナードについては、新たに桜の植樹をいたしまして、桜の通り抜けルート、これを拡大するというふうにしたいと考えています。
以上のような王子公園の再整備、議会の議決を今、いただくべく提案をしておりまして、議決をいただいた後に、4月に本契約を締結いたします。2025年の、その後、設計に入りまいりまして順次工事に着手をし、2028年頃には立体駐車場、それから2029年の春頃には緑の広場がオープンいたします。関西学院さんのほうは、この2029年の4月開校を目指して大学のキャンパスの整備を進めていただくというふうに承知をしております。翌年にスタジアムがオープンし、2030年度に工事が完了し、計画が概成をする。こういうスケジュールで進めていきたいと考えております。
次は、六甲道の駅前広場のリニューアルについてです。この六甲道の駅は、これは大阪と神戸の間に鉄道が走りましたのが、西日本で初めて鉄道が開通したのが開港の6年後の1874年だったわけですが、この六甲道の駅ができたのはかなり後で、1934年です。1934年にこの六甲道の駅ができました。
これは、戦前から六甲山は関西の観光の保養地として知られていたわけですけれども、この六甲山への登山道に通じる駅として開業されております。その後、沿線の宅地化が進んだということで、1976年に高架化が完了をいたしました。しかし、1995年の震災によりまして、もう壊滅的な被害を受けました。これはJR西日本さんの、もう本当に献身的な努力によりまして、短期間のうちに復旧をした。74日でJR神戸線が、全線が開通をするということになりました。神戸市は、この六甲道の周辺の震災復興事業を進めまして、土地区画整理事業、それから再開発事業を組み合わせて行いましたが、2006年の3月に事業が完了をしております。
2022年度の数字ですけれども、1日の乗降客は約2万4,000人ということで、かなり利用されている駅です。この駅前の広場は、震災以前からそんなに変わっていない部分もあります。もう少しこの機能も整備をする。あるいはたたずまいや景観も改善する余地があるのではないかというふうに従来から考えてきました。そこで、昨年度からこの駅前広場再整備を考えるオープンミーティングやワークショップ、あるいはこのオンラインでの意見募集ということを行ってきました。
寄せられた意見には、やはり駐輪場に対する意見、もう駐輪場が不足しているという意見。あるいは座れる場所がないとか、もっとイベントスペースが欲しいとか、移動しやすい広場にしてほしいとか、もっと緑が欲しい、六甲山の入り口としての魅力が欲しい。こういう意見をいただきまして、私たちとしては、この六甲山、やま、そしてひと・まちがつながる、神戸の東の玄関口にふさわしいリニューアルをしたらどうかというふうに考えたわけです。
このリニューアルの概要ですけれども、これは六甲道の駅ですが、北側の駅前広場、ここは、後で申し上げますけれども、地上の駐輪場を撤去して、できるだけゆったりとしたバス待ちのスペースをつくる。ここからかなりのバスが発着をしています。神戸大学方面、それから六甲ケーブル、鶴甲団地などです。それから阪神の御影に行くバスもここから。かなりのバスが発着をしておりますが、バス待ちのスペースが窮屈です。これは駐輪場があるからということもあるわけですけれども、そこで、もっとゆったりとした空間の創出を進めたい。
南側の駅前広場、南側の六甲道南公園はかなりきれいに整備して、大変、平日は夕方もにぎわっていますし、土日にはかなりのにぎわいを見せていますけれども、この駅前広場をリニューアルするということで、ここに地下タワー駐輪場を整備します。並木広場やデッキ空間などを整備するという考え方です。
この地下タワー式の駐輪場、これを南側に整備をいたします。この地下タワー駐輪場は、駅南側ロータリーですね。駅の南側のロータリーの横に整備をいたします。この駐輪場は、地下タワー式駐輪場、駐輪台数約400台ということで、大変これは便利です。ここから自転車を入れると、ボタンを押してずっと下にすぐ入っていく。ボタン押すと、約13秒で自転車がここに地下から上がってくると、こういう非常に便利な地下タワー式駐輪場を整備いたします。
こういう形で地下タワー式駐輪場を整備すると、今、これは北側のバス停の近くの写真ですけれども、かなり自転車があるということで、窮屈になっています。ベンチも、駐輪場があるということで、バス停のほうからしか利用できないというような状況になっています。これは、ワークショップなどにも参加をしていただきました神戸大学の建築学科の皆さんが描いていただいたイメージパースですけれども、こういう形で駐輪場を撤去して、ゆったりとしたバス待ちスペースを整備いたします。もっと樹木も増やし、緑と一体となった空間にいたします。
次は、現状は、これは六甲道の高架ですけれども、高架の北側もこういう形で駐輪場になっていて、非常に通りにくいということで、ここも駐輪場を撤去いたしまして、歩きやすい空間にすると。ベンチなども整備した滞留スペースをつくるということ、落ち着いて過ごしていただけるような空間にいたします。
次は南側広場ですけれども、今、こういうイメージです。ただっ広い空間になっているわけですが、ここも地域行事にも使える並木広場、緑をたくさん増やす。樹木も植えまして、六甲山とかをイメージした並木景観を形成するということで、もっと地域の行事、あるいは様々なイベントに使っていただけるようにいたします。
もう1つは、今、このデッキ空間があるわけですけど、現状はこうですね。ここも駅の出入口に直結をしているわけですけれども、ベンチや植栽も少ないということで、居心地のよいデッキ空間に整備をいたします。
今後のスケジュールですが、2025年度は、今後の整備ということを想定しながら、この六甲道駅のにぎわいづくりを行っていく上でのワークショップや様々な社会実験を行っていきたいと考えております。2027年度から設計工事を開始いたしまして、2029年度に地下タワー式の駐輪場を供用していって、2030年度に広場の全面リニューアルを考えております。ちなみに、地下タワー式駐輪場はJR神戸駅、それから先ほど説明をいたしました阪急の王子公園、そしてこの六甲道、こういう順番で整備をしていきたいと考えております。
私からの説明は以上です。
記者:
まず、王子公園についてなんですが、大学のエリアと動物園のエリアはまだこれからかとは思うんですけども、率直に、こうしたパース図が出て、御覧になって、市長はどのようにお感じなったでしょうか。
久元市長:
わくわくしますね。私は子供のとき、小学生のときに、そのときは、昔の話をして恐縮ですけれども、湊川公園のトンネルの辺りからずっと市電が走っていまして、たしか石屋川行きの市電に乗って、この王子動物園に時々遊びに行きました。そのときとあんまり風景は変わっていないんですよね。スタジアムも、もうそのときはまだ新しかったですけど、私が多分滑った滑り台なんかもまだあるのではないかなという感じで。ノスタルジアには浸れるわけですけど、個人的には。
しかし、本当に数十年変わっていなかったこの王子公園が、もうこういう形で見違えるように、緑豊かな空間としてリニューアルをされる。4,000人の関学の皆さんがここに来られる。動物園も、基本的には関西学院さんに売却をいたしましたその売却の資金でこの動物園のリニューアルができていくということで、整備手法としても、もうかなり理想的な姿になっているのではないかなと。非常に神戸にとって新たなシンボルとなるような整備がここでなされるということ、これはまだイメージですけれども、2030年度に向かってこの工事が進められていく。非常にわくわくいたします。
記者:
そして、今、議会でもんでもらっている最中かとは思うんですけども、このリニューアル案が通って、こうした新しい公園になって、特に公園のゾーンなんですけども、今回。どのように活用して、どういうふうな街を目指しますか。
久元市長:
やはり、まず市民の皆さんに親しんでいただく。市民の皆さんは、私もそうですけど、子供のときから動物園で遊んだ。それから、観覧車に乗った。子供のときに観覧車に乗って、子供さんが生まれたら一緒に観覧車に乗って、子供さんにまた子供ができたら、お孫さんと一緒に観覧車に乗ってこの遊園地を楽しむという、そういうライフスタイルが、かなりの神戸市民の皆さんが楽しんでいただいたというふうに思いますけど、そういうこれまでの歴史や、あるいはそういうライフスタイルを大切にしながら、またこれが新しい雰囲気で市民の皆さんに楽しんでいただく。そして4,000人の大学生の皆さんが来られますから、学生の皆さんとの交流、また、地域の皆さんとの交流も可能になると思いますから、いろんな意味で、このにぎわいと、それから、学術、文化の振興ということから見て、非常に複数の目的が叶えられる、そういう空間になるのではないかというふうに思います。
それと、市民だけではなくて、今、動物園にも市外からたくさんの方が来ていただいていますから、神戸への来街者を増やしていくと、交流人口を増やしていくという意味でも、この整備は意味があるというふうに思います。
記者:
今のお答えとももしかしたら答えは重なってくるかと思うんですけれども、今回、王子公園なんですけれども、この案に決まった決め手みたいなところはあるんでしょうか。
久元市長:
これは、私どもが、先ほど申し上げたような、一番最初の経緯の再整備基本方針を出して、そして、それに基づく提案を、今回、整備基本計画をつくって、その提案をしていただいたわけです。資料にも書いてありますが、結果的には1社からの提案となりました。本当は複数の提案があることが好ましいわけですけれども、結果的には1社の提案ということになります。これは、やはり最近、様々な資材の高騰とか人手不足の中で、これは神戸だけではありませんが、1社のみの提案、それから、そもそも応募がないということがかなり相次いでいます。これはほかの自治体もそうですね。そういう中で、この1社の提案ということが適切だったのか、内容が適切だったのかどうか、私どもの整備基本方針、再整備基本計画にのっとって適切なものだったのかということについては、担当部局の幹部、それから学識経験者の皆さんにも入っていただいた選定委員会で十分議論をして、最終的にはこの提案の事業者を選定するということにしたわけです。
記者:
続いてもう1問なんですけれども、今、この王子公園整備計画に対して一部の市民から反対の声が上がっていたりしますけれども、それには、市民の憩いの場がなくなるとか、防災拠点のところとかも指摘がありますが、そういった方々にはどのように説明をしていく予定でしょうか。
久元市長:
かなり説明を、もともと王子公園の再整備そのものに反対と、大学が来るのが反対という非常に基本的なところですので、そういう、これを再整備構想を一番最初にここの席で王子公園の再整備の方針を表明いたしましたのは2021年1月だったと思いますから、その後、何回も、この構想に異論を唱えている方々に、本当にこれは関係の職員の皆さんが入って説明をしていただき、また、市会議員の先生方もこの場に一緒に入っていただいて、議論をして練り上げていったというものだと思いますから、これはまだ極めて少数の方が異論を唱えておられるということはそうですけど、これは、このそれぞれの内容がどうかというよりも、そもそも王子公園に手をつけるなということですから、そこは、私どもとしては、今まで行ってきた努力の上にできた構想ですから、これを進めていきたいと思っております。また、この内容につきましては、必要に応じて関係の皆さんにも説明をしていきたいというふうに思います。
記者:
王子公園ですけれども、スタジアムなんですけれども、現状の王子スタジアムも、兵庫県のアメフトの聖地だったりとか、結構有名な場所であったりするんですけれども、新たに今回初めてデザインというか絵、イメージが出されましたけれども、今回、デザインについて、どういうコンセプトでとか、そういったことがありましたらお願いできたらと思います。
職員:
スタジアムでございますけれども、市長からの説明にもございましたように、まず、人工芝のフィールド、アメフト、ラグビー、サッカー、そういったものが利用できるものと、それから周辺に4レーントラックを整備する。それから、観客席は3,000人の観客席を有することと今提案では出ております。このスタジアムでございますけれども、非常に明るくて開放的なスタジアム。ともすれば、やはり球技利用に偏りがちな閉鎖的な空間になりがちなところを、できる限り地域の方にも開かれたイベントである、例えば夏祭りであるとか盆踊りであるとか、そういったものにも活用していただけるような、そういったしつらえをして、今後練り上げていきたいなというふうに思っております。
一方で、スタジアムは北のほうの位置に移るわけでございますので、周辺環境にも十分配慮した形で、そのあたり、今後、設計に具体的に入ってまいりますので、そのあたり、十分留意しながら、わくわくする楽しいスタジアムを造っていきたいなと思っております。
記者:
あと、整備スケジュールなんですけども、先ほど完成時期が示されましたけれども、それを見させていただいたら、現状では当初予定どおりかなと思うんですけれども、ほかの事業とかでは、先ほどおっしゃったような建築資材の高騰であるとか人手不足であるとかで事業が遅れる見通しであるというようなことも見受けられますけども、王子公園については、現状では当初計画どおりということでよろしいんでしょうか。
久元市長:
ほぼ計画どおり進められるのではないかなというふうに思います。
記者:
あと、六甲道駅のほうなんですけれども、これは、地下駐輪場というのは神戸市が整備するものとしては初めてだったりするんでしょうか。
久元市長:
地下タワー駐輪場は、神戸市は今現在はありません。これを駅前のリニューアルに伴って、特に、非常に乗降客が多い駅に地下タワー駐輪場を造っていきたいと考えておりまして、先ほども申し上げましたように、まずJRの神戸駅、それから阪急の王子公園駅、それからこの六甲道駅というふうに、順次整備をしていきたいと考えております。これは神戸市が整備をいたします。
記者:
改めて、先ほど来からお伺いはしてますけれども、六甲道駅前広場がこうやってリニューアルしてきれいになることで、市民にとってどのように利用してほしいとか、そういった市長の思いがありましたら。
久元市長:
そうですね、六甲道駅はものすごく利用されております。買物をされる方、飲食店も大変多いですから、グルメを楽しまれる方、それから、六甲道駅を使って近隣から通勤・通学をされる方、それから六甲道で降りて神戸大学や、あるいは松蔭に通学される方、それから六甲山に登られる方、六甲ケーブルに行かれる方、いろいろな方がここを使っておられるわけです。そういう方々にとって、今、比較的快適な空間ではあるかと思うんですけれども、先ほど申し上げましたように駐輪場がいっぱいあったり、ゆったりとした空間が少ないとかという問題がありましたので、これを改善することによって、利用される方々にとって、非常に、より快適な空間になる。さらにこの六甲道は東の玄関と位置づけておりますので、これを契機に、もっとたくさんの方々が六甲道に来ていただいて、思い思いの時間を過ごしていただければ。そのことが結果的には、周辺の商業施設、お店などを経営されている方々にも、来街者が増えるということでメリットをもたらすのではないだろうか。
灘区は、住む場所として非常に人気が高まっています。今回、六甲道を整備することによって、さらに居住地としても、住む場所としてもより選考される、選ばれるということになるのではないだろうかということで、住宅地としての魅力の向上にもつながっていく、そういうところを期待したいと思います。
記者:
王子公園のほうなんですけれども、木の本数を現状以上にというお話でしたけれども、すいません、今までも数字出ているのかもしれませんが、これまでが何本で、そして今後どれぐらいに、本数をしていきたいのかという数字を教えていただけますでしょうか。
職員:
現在、王子公園全体で樹木が1,343本ございます。この基本計画にもございますように、現状以上、それ以上の本数を確保していくということでございますけれども、今後、設計をする中で建物の位置であるとか、いろいろな調整が必要になってまいります。
それからスライドにもございますように、老木化したもの、腐れの入ったもの、そういった樹木は伐採をいたしますし、建築物、建物等設備に支障のあるもの、そういったものも伐採せざるを得ないものもございますけども、そういったものを今後の設計の中で精査をいたしまして、新たにどれぐらいの樹木を植えるのか、どれぐらいの樹木を移植したり伐採する必要があるのか、そういったものを検討してまいりたいと考えております。
記者:
あと、前に出ていたのかもしれないんですけど、テニスコートの数と駐車場の台数もどのように変化するか、改めて教えていただけますでしょうか。
職員:
現在、テニスコートが六面ございます。立体駐車場の上に二面確保いたします。一方で、ポートアイランドのほうに新たに六面テニスコートを確保する予定となっております。
職員:
駐車場なんですが、現在、先ほど写真で見ていただきましたように、390台がアスファルトの駐車場のところ、動物園のエントランスの前にございます。それから補助競技場のところに臨時で250台ございまして、全部で640台になりますが、今回の再整備によりまして、立体駐車場として500台を予定してございます。
記者:
六甲道駅のほうで、今回、まだ改善の余地があるということでリニューアルされるということなんですけど、直接、リニューアルとはちょっと関係ないかもしれないんですけど、やっぱり六甲道の震災復興事業、大分苦労されたというお話を聞きますし、新長田のほうとかはよく評価をお聞きすることはあるんですけど、六甲道の震災復興事業を終えてからの、これまでの駅周辺のまちというのを市長はどう評価されていらっしゃるか、お願いします。
久元市長:
終了したのは2006年です。ですから新長田に比べればかなり短期間のうちに整備が終わりました。これはやはり地域の皆さんの意見をしっかりお聞きをして、震災復興事業の計画をつくり、そしてその計画を進める過程の中でも、よく議論をしながら進めることができたということだと思います。その後、この震災復興事業が完了してからは、六甲道は比較的にぎわうまちになりました。先ほども少し言いましたけれども、六甲道南公園などは、これは本当に平日の夕方も土日もたくさんの家族連れの皆さん、子供連れの皆さんも含めて、たくさんの方々でにぎわっていると。
それから、先ほども申し上げましたけれども、灘区の住宅地としての評価というのは、常に地価の動向などを見ても非常に高い評価をいただいていると思っておりまして、これはやはり六甲道を東の玄関口として位置づけていますから、震災復興事業が比較的スムーズに。これは非常に大きな苦労があって、当時のコンセンサスづくりなども当時の職員の皆さんは、諸先輩の皆さん、本当に苦労されたんですけども、苦労はあったけれども比較的順調に進んで、その後の六甲道周辺、灘区のまちづくりにつながっていった、結実をしていったということではないかと思います。
記者:
分かりました。そういった評価をされる中で、今回ある程度「やま・ひと・まち」がつながるというもう一歩先へ行くというか、そういう位置づけということなんですか。
久元市長:
そうですね、特にやっぱり利用者は先ほど申し上げましたようにいろんな目的を持った方々が六甲道に来られ、あるいは六甲道から降りて、電車を降りていろんなところに行かれる。こういうたくさんの目的を持った、いろんな目的を持った方々が、言わば交差する空間ですから、そこで、自転車があふれているとか、施設が古くなっているとか、緑が少ないとか、交流、にぎわいという面での利用については制約がある。そういうところを今回解消して「やま・ひと・まち」がつながる、そういうまさに東の玄関口にふさわしいリニューアルをしたいということです。
記者:
教育無償化をめぐる国の動向について少し質問をさせていただきたいんですけれども、御存じであるかと思いますが、自民、公明、維新が教育の無償化に合意をしまして、新年度から就学支援金の所得制限がなくなって、2026年度から就学支援金が45万7,000円に引き上げられるという方針がまとまりました。まずはその受け止めと、先行して大阪府では教育無償化の取組をしていますけれども、府内の公立高校で入試の定員の倍率が非常に下がるという事態が起きています。神戸市も私立高校がありますけれども、その辺りの影響をどういうふうにお感じになられているか、その辺りもお願いします。
久元市長:
今回の自民党、公明党、維新の合意によりまして、今お話があったような結論に達して、これが実施される方向で調整が進んでいくというふうに思いますが、経済的負担の軽減ということから見れば、これは前進だと思います。兵庫県内は910万円以上の世帯が大阪は63万円まで無償になる。兵庫県内は全額を自費負担ということでしたから、これが45万7,000円だったでしょうか、まで公費負担になるということですから、これは経済的負担が減るということについては、非常に大きな前進だと思います。
ただ、経済的負担ということから見たときに、大阪が63万円で国の制度どおりに兵庫県が何もしないということをすれば、大阪との間の格差というのは残る。そういうことを考えたときに、特に高校に入ると中学のときに比べて経済的負担がかなり大きくなるということははっきりしていますから、やはり大阪との間の格差があるということについては、兵庫県においてしっかりこれを埋めていただく対応をしていただきたいと思います。
それから、もう1つは経済的負担以外の問題で、それはまさに今おっしゃった私立の高校にシフトしていくのではないかということですね。つまり公立高校が選ばれにくくなる。これは現に大阪で起きているわけですから、それに対してどういう対応を取るのかということ、これも兵庫県において考えていただくべき問題だろうと思いますし、ただそれ以前に、この点についてはかなり多くの関係者から、教育関係者からもあるいは公立高校の教育関係者からもかなり疑問が出ていますので、これは政府にしっかり説明をしていただく、どういう対応を取っていただくのかということを説明していただく。
その上でこれは私立、私学行政は全面的に兵庫県が担当していただいていますし、それから公立高校のかなりの数は県立高校ですから、県立高校がどう対応するのか、これは兵庫県知事、兵庫県の教育委員会においてしっかりと説明をしていただきたいと思います。
記者:
あと、通学定期券の補助がそういった大阪府と兵庫県の教育費の負担の格差があるということについて、子育て世帯の流出阻止という意味合いもあったと思うんですけれども、まだちょっと新年度が始まってなくて、26年度から無償化がかなり本格化するという中で非常に恐縮なんですけれども、通学定期券の補助について今後の継続性とかそういったことについてお考えがあれば。
久元市長:
基本的には継続をしていかなければいけないだろうと思います。ただ、これは兵庫県が今申し上げたような疑問に対してどう対応していただくかということも関係をしますが、やはり少なくとも(授業料の)無償化の措置によって、どこの高校を受験するのかということの変化が予想されるわけですね。高校の通学定期券に対する対応は、これは神戸市としては、高校生世帯の経済的負担を軽減するということと、高校という存在が神戸市にとって非常に大事な存在で、大事な財産だと。多様な高校ですね。県立高校、市立高校、私立の高校、それから様々な学科の、普通科が圧倒的に多いですけれども、それ以外にも様々な学科がある。こういう多様な高校教育環境というものが神戸市に存在しているということは、これは教育という面だけではなくて、地域の活性化、あるいは地域への若い世代の参画ということにおいても、これは非常に大きな意味があります。これはやっぱり守っていかなければいけないということですね。
ですから、大阪と兵庫県の格差によって子育て世代が大阪に流出をする。そのことによって、神戸市内の高校の受験者が減る。受験者が減ることによって高校の環境が厳しくなって、学校が統廃合される、あるいは学校が廃止をされる。これは、高校生自体が減るということによるそういう影響というもの、これは避けられないかもしれませんが、しかし、兵庫県と大阪の格差によってそういうことが起きるということ、絶対にこれは阻止しなければいけない。そういうような固い決意を持って、本当は兵庫県がやらなければいけないところを神戸市が肩代わりしてやっているということなんですよね。ですから、これは、兵庫県にしっかりやっていただきたいという姿勢は堅持しつつも、しかし、まだ兵庫県の対応が見えてきませんから、そういう意味もあって、この高校定期の無料化ということ、市内の高校に対しては無料にする、市外については支援を拡大するということは、これはやっぱり続けていかなければいけないというふうに思います。
ただ、今後の国の対応や、あるいは兵庫県の対応によって、絶対にこれを変えたいというものではありませんけれども、基本的には維持していかなければいけない。いずれにしても、兵庫県の対応をしっかり注視していきたいと思います。
記者:
岩手県で発生した大船渡の山火事に関連してお伺いします。2月25日に発生して、先日、3月11日にようやく鎮火しましたが、かなりの大きな被害がありました。3月10日にも奈良県のほうで山火事がありました。新年度から神戸市でも森林・里山の再生という事業を進めていく上で、この山火事の対策というのはどうしていくのか、お考えはありますでしょうか。
久元市長:
大船渡の山火事が発生をしてから、その動向については私も大変注視しておりました。2月27日だったかと思いますけれども、大船渡の火事を覚知してすぐだったと思いますが、もし間違っていたら言ってほしいんですが、2月27日の防災会議の冒頭でも申し上げたんですよ。この大船渡の火事は神戸市にとっては対岸の火事ではありませんと。これは、やはり山火事に対する対応というのをしっかりやっていかなければいけないと。それは言うまでもなく、今おっしゃいましたように、神戸の地域のかなりのエリアは山林です。そして、この山林にすぐ近接をして里山がある。つまり、田畑、それから農村の集落があるわけですね。
1つは、山火事の原因、山林火災の原因というのが、多いのは野焼きです。たき火、それから農家の野焼き、こういうものが原因となって火災が全国的にも発生をしているわけですね。農村集落の地域のありようというものが、神戸はまだ比較的影響が少ないところがありますが、全国的に見て、農村集落の高齢化あるいは人口の流出によって、そういう変化を受けて、この野焼きを高齢者が一人でやるという傾向が強まって、これは以前から大変私は気にしておりました。市内、北区や西区を移動することも結構あるんですけれども、高齢者が一人で野焼きしていると。これはやっぱり心配だなということを以前から考えておりまして、この対応というのはしっかりやっていかなければなりません。
これまでの神戸の林野火災の状況を簡単に御説明いたしますと、2024年中に、去年に8件の林野火災が発生をいたしまして、焼損面積は最大では5アール。1981年以降は10ヘクタールを超える火災は発生をしておりません。これは、そういうふうに地域社会の変化があって、一人で野焼きをするというような現象も起きていますけれども、やはり、農家の皆さんを中心に注意をしながら野焼きをしていくということと、消防署も注意を呼びかけているということが効果があるのではないかというふうに思います。
それから、あともう1つは、登山客による原因となる山火事ですよね。これについては、兵庫県の山岳連盟などの市民団体が山の指導員というような制度を通じて注意喚起をしている。これはまだまだ限界があると思いますけれども、関係者はそういう対応をして、消防職員、消防署、それから消防団員がやっぱりパトロールなども行っています。そういう訓練も行って、こういうことをやっぱりしっかり改めてやっていかなければいけないということで、ですから、やはり、地域社会、特に農村集落における地域社会が変わってきているということを改めて認識して、消防署による対応が中心になると思いますけれども、改めて注意喚起をしたり、特に強い強風が吹いているときは、たき火や野焼きは絶対しない、こういうような呼びかけを徹底していきたいというふうに思います。
―― 了 ――
動画再生ソフトをお持ちでない方はこちら
このページは接続環境によって、映像・音声などがみだれたり、スムーズな視聴ができない場合があります。あらかじめご了承ください。