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臨時会見2025年2月4日(1)

最終更新日:2025年2月4日

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公益財団法人Soilと連携した神戸市社会起業家支援プログラム

司会:

 それでは、ただいまより公益財団法人Soilと神戸市との社会起業家支援プログラムにつきましての記者会見を開始いたします。

 なお、本日のお時間ですけれども、全体で40分程度を予定しておりますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。

 それでは、初めに、会見出席者を御紹介いたします。
 公益財団法人Soil、理事、中島真様でございます。
 久元喜造神戸市長でございます。

 それでは、初めに久元喜造神戸市長より御挨拶を申し上げます。よろしくお願いいたします。

久元市長:

 今日は御参加いただきまして、ありがとうございます。

 このたび、公益財団法人Soilさんと神戸市が連携をいたしまして、社会起業家支援プログラムを実施することになりました。本日は公益財団法人Soilさんの中島理事に御出席をいただいております。中島理事、どうもありがとうございます。

 社会情勢が目まぐるしく変化する中で、新たな社会課題に対応する産業を育てるためには、革新的なアイデア、テクノロジーを活用したイノベーションの誘発が必須です。その原動力となるのがスタートアップであるという認識から、2016年よりスタートアップ支援を開始いたしました。スタートアップと市職員が一緒になって、地域、行政課題の解決を目指す実証実験プロジェクト、アーバンイノベーション神戸などを通じて、革新的なアイデアやテクノロジーが地域課題の解決に活用されてきました。

 後ほど御紹介があろうかと思いますが、公益財団法人Soilさんは、社会課題解決を目指す団体に対して、資金助成や成長支援を提供されている組織です。これまで多岐にわたる分野で多くの団体を支援され、持続可能な社会的インパクトの創出に貢献されていると承知をしております。このような活動を展開するSoilさんと本市が協力することで、神戸市における社会起業家の育成がさらに革新をするものと考えております。

 今回スタートアップ支援に力を入れてきた神戸を舞台に、プログラムを開催したいというお声がけをいただき、自治体としては全国初となる連携プログラムの実現に至りました。このプログラムを通じてより多くの社会起業家が生まれ、神戸から新たな価値を創造していくことを期待しております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

司会:

 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、中島理事より御挨拶を賜ります。中島理事、よろしくお願いいたします。

中島理事:

 公益財団法人Soilで理事をしております中島です。本日は、今回の新しい取組を御紹介できることを、大変光栄に思っております。貴重な機会ありがとうございます。

 簡単にですけれども、我々Soilはどういうものなのかというところをお話しさせていただければと思うんですけれども、キーワードとして、「儲からない」けど「意義がある」と、そういう事業があるというふうに思っていて、必要とますますされてきているというふうに思っています。

 Soilを立ち上げたメンバーと言われるのは、スタートアップをみんな経験して経営してきたような人たちが多くて、これまでの20年でエコシステムができ、産業をつくっていくという、そういう流れというものを実感として享受してきた人間たちです。そう思ったときに、社会的にもっとやらなければいけない事業がすごくあるけれども、このエコシステムですくいきれてないものというのをすごく感じる瞬間というのが多々あったというようなところを背景に、立ち上がっている団体になります。

 今回そういった中で、社会起業を立ち上げていくと。Soil自身は事業助成、お金の支援というところを中心に、社会起業家をサポートするというところをやってきました。何より、我々、今回神戸市さんにお声がけさせていただいて、連携させてもらえるというところの醍醐味としては、こういったその事業にとって、検証できる機会というのがとても大事だというふうに思っています。

 お金だけじゃなくて、実際の地域で試してみる、そこで試行錯誤できる、ここが本当に一番立ち上げにおいては重要だというふうに認識している中で、スタートアップへの知見であるとか、新産業創出への意気込みであるとか、全国の自治体を見渡してもそこにリーダーシップを発揮している神戸市で、我々のこのSoilの考えを1つのプログラムとして提供できれば、神戸市にとってもですし、全国(の自治体)にとってもロールモデルになり得るんじゃないだろうかと、そういった期待を込めて、今回立ち上げに向かっておるというところになります。

 本当に繰り返しになりますけど、貴重な機会、感謝申し上げますし、ぜひ成功させたいというふうに思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

司会:

 ありがとうございました。
 それでは、続きまして、神戸市経済観光局新産業創造課の出口と、公益財団法人Soilの松尾様より、今回のプログラムの内容につきまして御説明させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

出口新産業創造課長:

 それでは、まず、公益財団法人Soilと連携した神戸市社会起業家支援プログラムにつきまして、神戸市からの説明といたしまして、私、経済観光局の出口から御説明申し上げます。よろしくお願いします。

 神戸市では、神戸から世界の人々の毎日をより健康で豊かにすると。このようなミッションを掲げスタートアップの支援、イノベーションの創出支援を行っております。神戸市では全国に先駆けて2016年よりスタートアップ支援に取り組んでおります。ここに画面掲載している事業をはじめ、人材育成、創業支援といった初期段階のサポートから、スタートアップが行政と連携して課題解決に取り組む仕組みづくりであったり、官民連携ファンドを通じた資金調達支援など、様々な施策を総合的に展開してまいりました。神戸市がスタートアップ支援を開始しましておよそ10年たちますけれども、この間、国によるスタートアップ育成5か年計画の決定、それから、民間の支援機関の増加など、スタートアップが取り巻く状況は大きく変化しております。その中で、神戸の状況や課題に合わせて独自のスタートアップ支援を今後も推進していく必要があると我々も認識しておりまして、その新たな取組の1つとして、事業を通じて社会課題解決を目指す方々への支援の拡充ということを考えております。

 基礎自治体としまして、神戸市では市内様々な社会課題に対して、それぞれの所管部局が責任を持って対応しておりますけれども、1つの社会課題を取ってもその原因は複雑で、影響も広範囲にわたって絡み合っています。また、解決するためには専門的なノウハウや伴走型の支援、こういったものが必要になってくることも多いです。このため、行政のみで完全に解決することは難しいので、NPO等の非営利セクター、学校や病院、民間企業、それから地域団体といった多様な主体による多面的なアプローチというのが必要になってきます。その中で革新的なアイデアや技術を持って社会課題解決に取り組もうとする社会起業家、スタートアップの存在が大いに期待されているところです。なんですけれども、このような社会課題解決を目指す事業を、社会性と、それから経済的持続性、この両輪を回す必要があるために、難易度が高いというふうに言われています。そこで、このたび公益財団Soilの御協力をいただきまして、事業が軌道に乗るための資金であったり、難易度が高い事業に取り組むための経営のノウハウ、こういったものを提供するプログラムを開始することになりました。

 プログラムの概要です。事業を通じた社会課題解決を目指す個人・団体を公募いたしまして、審査を経て5件採択する予定です。採択者には神戸市内での実証実験の支援、それから最大300万円の助成金、企業経営に詳しい実業家による経営ノウハウの提供といった支援を実施いたします。プログラムが終了した後には、採択者による成果報告会を開催いたしまして、本プログラムを通じて得られた知見であったり成果、これを広く共有いただくことを想定しております。

 募集するテーマですけれども、例えばですけど、ここに掲げておりますとおり、子育て・教育、それから防災・減災、就労支援、医療・健康・介護、それから環境保全・森林活用、多文化共生など、様々な分野を一応想定はしているんですけれども、必ずしもここに掲げているものに限定されずに、自由に御提案いただきたいというふうに思っております。これまでの本市スタートアップ支援の取組の中で、アーバンイノベーション神戸という取組を実施いたしておりますけれども、このアーバンイノベーション神戸は、神戸市が提起する地域課題の解決策をスタートアップに提案いただくと、そういう形になっているんですけれども、今回のこのSoilとの連携プログラムでは、応募者の事業を通じて社会課題の解決につながるものを御提案いただいて、それを実証実験していくと、そういう流れになっております。

 実施体制ですけれども、神戸市が実証実験のアレンジメント、それから伴走支援を行いまして、Soilから助成金と、それからメンタリングを御提供いただきます。助成金の原資は、神戸にゆかりのある賛同寄附者の皆様より寄附いただいたものです。改めまして、寄附賛同者の皆様にはお礼申し上げたいというふうに思います。

 本プログラム特徴の1つは、先ほど中島様もおっしゃいましたとおり、神戸市による実証実験サポートが受けられるという点でございます。プログラムの応募時には、神戸市内のどのような機関とどのような実証実験を希望するか、計画を提出していただきます。実証実験では、採択者が持つサービスやプロダクトを神戸市内の関係機関に使ってもらって、その効果や課題を見たり、今後のさらなる改善に向けたデータを取得すると、そういったことを想定しております。なので、採択者には、まず我々経済観光局新産業創造課と実証実験計画について協議いただくという形になります。その上で新産業創造課が、例えば神戸市のほかの部局であったり、もしくは市内企業、学校、病院など、実証実験に参加いただく機関を探索いたしまして、事業が可能となるようにマネジメントをしていくという流れになります。神戸市としましては、この実証実験の支援を通じて神戸市内の社会課題が少しでも改善、解決に近づいていくこと、解決のための道筋を見つけることを期待しております。

 この後、内容につきましてはSoilからも御説明はありますけれども、本プログラムは本日より3月12日まで応募を受け付けます。その後、選考であったり実証支援先の調整、こういったものを経て、5月末には採択事業者を決定、6月から実証実験を開始いたします。来年の今ぐらいの時期に成果報告会を開催できればというふうに考えております。採択者の決定、それから成果報告会など、また決まりましたら改めてお知らせいたしますので、今後もぜひ御注目いただければというふうに思います。

 神戸市からの説明は以上となります。
 続いて、Soil松尾様より御説明お願いいたします。

松尾氏:

 ただいま御紹介にあずかりましたSoilの松尾です。私からは公益財団法人Soilと本プログラムについて御紹介させていただきます。

 「儲からない」けど「意義がある」、そういう事業に挑戦する社会起業家を我々は支援しております。情熱とアイデアを持って社会的意義がある活動をされている方々はたくさんいます。しかし、その一方で、そこに経済的なリターンが見込めないがゆえに資金が流れてこないとか、チームに人が集まらないといった状況もあります。そういった結果、解決されるべき社会課題が解決されずに残っている。そういう状況を変えたいと思って活動をしています。

 Soilは2023年の1月に設立して、昨年の9月に公益法人認定を受けました。財団の立ち上げメンバーはこちらです。代表理事の久田は、東証スタンダードに上場している株式会社Speeeの創業者であり、取締役でもあります。Soilは久田がSpeeeの上場時に得た個人資産を元に運営されているというのが特徴です。久田はもともと上場前から株式上場で得た個人資産を自分のためではなく世の中のために使いたいという思いを持っており、そのためにSoilという財団を設立して活動を開始しました。

 次に、我々がつくりたいと思っているエコシステムについての御紹介でございます。左側がいわゆるスタートアップの世界、右側が非営利スタートアップの世界と我々が定義しているものになります。

 非営利スタートアップというのは聞き慣れない言葉かなと思うんですけども、こういうチームはいわゆる企業価値の最大化ではなく、社会課題の解決を第1の目標に置いて活動している団体です。まさに、「儲からない」けど「意義がある」、そういう事業に取り組んでいるチームのことを我々は非営利スタートアップと呼んでいます。

 左側の営利のスタートアップの世界に関しては、ここ二十数年で大きく拡大してきたかなと思っています。スタートアップの存在感も大きくなり、エンジェル投資家だったりVCの方がそこに投資をして、スタートアップも成長して投資家にリターンを返せるというような世界が構築されてきたかなと思うんですけども、一方で、右側の非営利スタートアップ側の世界ではまだまだそういうことができていないという課題感を我々は持っています。

 Soilの解決策としては、左側の世界で資金やノウハウを培った起業家が右側の非営利スタートアップの世界に資金提供をしていく。しかも、その際に、経済的なリターンを求めない寄附という形で資金提供をしていく。同時に事業推進の知見も提供していく。これによって左右の世界全体でのエコシステムが回っていって、社会課題が解決されていくのではないかと、そういうことを目指して活動しております。

 このようなSoilの思想に賛同いただいて、これまでそうそうたる起業家の方々から寄附をお寄せいただきました。個人資産を自分のためだけではなくて世の中のために使っていきたいと、そう感じた起業家が寄附という形で社会貢献をしていくような、新しい形のフィランソロピーの潮流ができつつあるのかなと感じております。

 このような起業家の方々のバックアップもありまして、Soilは財団設立から2年で1.5億円、50団体への資金助成を実行させていただきました。また、Soilは自分たちだけではなくて、様々なステークホルダーと連携してこの輪を広げていっております。企業、大学、メディア、専門家など、それぞれの強みを持つステークホルダーの特色を出しながら連続的にプログラムを開催してきております。

 そして今回、Soilとしては念願の、初めて自治体と連携した支援プログラムを開始することができました。神戸市様と提携に至った背景には、Soilとして、資金提供にとどまらない支援をしていきたいと、スタートアップのフェーズを次に、一段押し上げるような支援をしていきたいという思いがずっとありました。神戸市様はスタートアップ支援の実績が豊富であり、特に地域のネットワークを生かした伴走支援を得意とされておりますので、神戸市様と連携することで、資金提供だけでなく、実証実験のフィールドを社会起業家の方々に提供できると確信してここに至っております。

 今回、神戸様との連携プログラムでは、久田に加え2名の起業家の方々に御賛同いただき、寄附をいただくこととなりました。セーフィー株式会社の佐渡島様、株式会社マネーフォワードの辻様は、ともに兵庫エリアにゆかりのあることもあり、今回のプログラムの理念に御共感いただいて、寄附をお寄せいただきました。

 最後になりますが、Soilと神戸市のお互いの強みを生かし合って、社会により大きなインパクトを与えていていけるように頑張ってまいります。

 以上となります。御清聴ありがとうございました。

質疑応答

記者:

 念のため確認をさせていただきたいんですが、アーバンイノベーション神戸とかの場合は、行政側が提示したテーマについて、こういう解決ができますよというふうな技術とかサービスを持ち込むという形、スタートアップのほうが持ち込むという形だったかと思いますが、今回は、つまり、こういう課題を解決したいですというテーマも持ち込んでくださいという、そういうことでよろしいんでしょうか。

出口新産業創造課長:

 神戸市の出口です。まさに、その認識で合ってます。

記者:

 それを、最大5件というか、5社というか、募集しますと、こういうことでよろしいんですね。分かりました。ありがとうございます。

 市長と中島理事それぞれにお伺いしたいんですけれども、まず市長に伺いたいのは、これまで神戸市として約10年間、スタートアップ支援に取り組んでこられたと思います。このたびSoilさんとの連携で、何が最も、神戸市としてメリットを感じていらっしゃるのか、これまでの取組で足りないものがあったから連携をされるのかなと思うんですが、まずそこを伺いたいと思います。

久元市長:

 足りないからというよりは、非常に新しい提案をいただいているなと思っておりまして、先ほど松尾さんのお話がありましたように、企業価値の最大化という観点から集められた資金が求められるけれども、「儲からない」けれども「意義がある」スタートアップに提供されるというモデルというのは大変魅力的で、こういう観点からの支援をしていただくということは、神戸市にとって非常にありがたいというふうに感じているところです。

記者:

 Soilの中島理事に伺いたいのが、やはり実証実験のフィールドがあることに、すごい価値があるというふうにお感じになっているのかなと受け止めたんですけれども、なかなか、従来いろいろ起業、スタートアップ支援はされていると思うんですが、それとの違い、自治体と連携することで、現場があるということがどうメリットがあるのか、これまでどういうところで困っていたのかとか、何かそこら辺を踏まえてお話しいただければと思います。

中島理事:

 ありがとうございます。一概には言えないところはあるんですけど、比較的という話の中で社会性を追求する事業を思ったときに、一般的に民間企業が立ち上げている事業よりもそこの難易度があるなというのが感じていた、そこに対しての1つのソリューションが今回の連携で、そこでマッチングが果たせていけるという部分だと思っていますけど、分かりやすく言うと、病院と組みたいとか、例えば学校と組みたいというのが一般的にすごくハードルが高いものだと感じています。門前払いされるというわけではないんですけど、どこから行けばいいか分からないみたいな。それは自治体、行政も時としてそうだと思っていたりするというところと、あと、社会課題の現場というのは本当に具体の生活者の中にあると思ったときに、そこを組織化している団体がそもそも分からないとか、そういう状況があるなと思っていたときに、そこに対して1番把握されているのはやはり行政であると思っているというところもあって、その点の解決が図れるのではなかろうかというところをとても重視しております。

記者:

 中島理事にもう1つ御質問なんですけれども、神戸市は2016年度からスタートアップ支援をしてきているということなんですが、ちょっと不勉強ながらほかの自治体さんとかでもそういうスタートアップ支援はあるのではないかなと思うんですけれども、その中でもやっぱり神戸市と組みたいといいますか、連携したいというところ、ほかの自治体よりもなぜ神戸市に魅力を感じたのかお聞かせいただけますか。

中島理事:

 1つは2016年から(スタートアップ支援を)始められている、それ以前から(も新産業の創出に取り組まれてきているので)ずっと思っているんですけど、新しく産業をつくるであるとかスタートアップを支援していくというところのリーダーシップがある、我々側するとそこに対しての柔軟さとかスピード感みたいなところの御一緒しやすさを感じられるというところが1つですね。

 もう1つは、やはり神戸という地域性はすごく多様な場所だとは思っていて、あらゆる環境がある、あらゆる規模もある、そういった中で社会課題を率先して解決していく場所としてすごく、すごい表現が難しいんですけど、模範的な地域にきっとなれるんじゃないのかなというのは思っているところです。やっぱりこの2つが大きいかなと思っております。

記者:

 多分これは出口さんへの質問になると思うんですけれども、神戸市側としては予算的なものというのはどのくらいを主に考えておられるんでしょうか。

出口新産業創造課長:

 前に示しているとおり、団体に対する助成金というのはSoilから出して、我々はいただいたアイデアを実際に社会実験に使うかどうかということなので、予算的なものと言ったら我々も人件費とかいったことになってくるんですけれども、ただ我々が持っているネットワークを生かして、先ほど中島様からありましたとおり、何とか1つでも課題解決につながるような、実際にそれが提案した、採択された方のイメージ、やりたいことに極力近づけるようにということで実施していくというようなことですね。

 ちょっとここから先はいただいた質問から一歩踏み出しているかもわからないんですけれども、やはり社会課題解決をしていくという中で、今後、遠い将来を考えたときに資金といいますか、どうしてもお金が必要になってきますので、それの部分をどう回していくのか(についての実証)というのが今回、Soilさんと我々とで一緒にやっていく中の1つのイメージです。これでやっていければ、ちょっと表現はあれなんですけど、儲かったスタートアップの方々が御自身の資産でもって地域課題を解決していくというお金の循環がうまいこと回るようになれば、我々として事業費から助成金を出すというよりかは、本当に社会課題の解決に向かっての、いわゆる結びつき、つなぎという部分に専念していくということができれば理想的かなと。そうなると、恐らく全国の自治体も自分のところで事業費を賄わないといけないというようなことにはならない、そこから解放されるので、より広がっていくんじゃないかなというのは期待しているところでございます。

記者:

 もう1つなんですけど、ちょっと若干イメージが湧かなかったのが、実証実験支援というところなんですけれども、まだ支援先も何も決まっていない段階で恐縮なんですが、大体どんなことをイメージしたら一番頭の中に像が結びやすいでしょうか。

松尾氏:

 神戸市の新産業創造課のチームの方々に主に実証実験の支援をしていただくんですけども、イメージとしては、例えばここに書いたような関係機関の方々、まずそこへの窓口が非営利スタートアップは持っていないので、どういうところに、例えばどういう医療機関とか、どういう規模の学校とどういう実証実験をしたいかというのをあらかじめ希望を上げてもらいます。その上で神戸市の方々にはそのアレンジをしていただくようなイメージですね。間に立って話をつけていただくと。

 実証実験といっても、スタートアップ側がやりたいことをただただ実現できるわけではなくて、こういう関係機関側のメリットにも当然なる必要がありますので、相互の利害を調整していって、双方にとってプラスになるような形で実証実験ができるように、そのための必要な交渉だったり、準備だったりの伴走を神戸市の方々に進めていただくということをイメージしております。

記者:

 これもちょっと市のほうになるのかなと思うんですけれども、社会課題というのは神戸市が抱えているものに限定されたものなのか、それとも広く神戸市に限った話ではないものも含めてなのか、そのあたりの社会課題というものはどこまでの範囲になるんでしょうか。

出口新産業創造課長:

 特に神戸市が独自で抱えているということで限定しているわけではありません。広く一般的にという表現が正しいか分かりませんけれども、社会課題は大体共通しているところが多いかなというふうには思うんですけれども、広く社会課題として認識されている、それに対する解決策というものを御提案いただくということになります。

記者:

 この応募があって、選考過程とかも全て市とSoilさんと両者で決めて選考していくということでよろしいんでしょうか。

出口新産業創造課長:

 はい、そのとおりです。

記者:

 ちょっと細かいところ、確認、念のためなんですけども、この採択される5団体についてなんですけども、何か市内の個人とか市内の企業とかに限っているとかそういう要件はないという認識でいいですかね。

出口新産業創造課長:

 はい、そのとおりです。できれば神戸市(内の個人や団体)からいっぱい応募いただきたいなと思いますけど。

記者:

 全国どこでも?

出口新産業創造課長:

 どこでも。

―― 了 ――

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