最終更新日:2025年6月12日
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司会:
お待たせしました。それでは、ただいまより6月1回目の市長定例会見を始めたいと思います。
お願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。今日お話を申し上げたい案件は3件です。もっと話そう「神戸」のこと、元町駅周辺のリニューアルプラン検討への着手、神戸空港にペロブスカイト太陽電池を設置して実験を行う、この3点です。
もっと話そう「神戸」のこと、何のことかと思われるかもしれませんが、市民の皆さんと私たち神戸市政に携わる者との対話、また、市民の皆さん同士の対話を行って、そして神戸のまちをみんなでよくしていこうという取組を進めるということです。
その大きな契機は基本構想の策定です。去年の11月議会で議決をいただきまして、基本構想を策定し、そして今、今年度中をめどに、基本計画の策定を進めています。あわせて、神戸空港が国際化し、国際都市にふさわしいまちづくりをしようというふうにしています。この基本構想の策定、また、今つくろうとしている基本計画については、ワークショップやフォーラムなどを盛んに行いまして、これまでもたくさんの未来に向けた声が寄せられています。いろんな施設も御覧をいただいたり、神戸の未来について話し合う機会を多数設けております。
エリア別のワークショップ、これは約10か所で約250名の皆さんに参加をしていただいて、神戸の魅力あるいは未来の神戸について語り合っていただきました。また、小中学生の皆さんからもGIGA端末で様々な意見をお寄せいただいたところです。2023年度は、これは基本構想について約3万5,000件の意見が小中学生から寄せられ、2024年度についても4万7,000件の意見が寄せられております。
こういうことで基本構想・基本計画について様々な対話が行われているわけですけれども、従来からこういう対話を促進する取組を進めていきましたし、これからも進めていきたいと思っております。
現在行っているのは、基本構想・基本計画と関連して、人口減少や子育て支援、地域活性化、防災、文化財などをテーマとして、幅広い年代の皆さんとの対話を行っております。ささやかな試みですけれども、私、また、教育長と子供たちとの意見交換を行いました。また、庁内で職員の皆さんのオープンミーティングというのを行っておりまして、オープンミーティングというのは、職員同士のミーティングではあるけれども、公開の場所で行って、例えば通りがかった市民の皆さんもこれを聞いていただく、場合によってはそこで意見を言っていただくというような取組、あるいは職員同士の意見交換に市民の皆さんも加わっていただく、こういうような取組も行ってきております。
また、一般的なテーマのほかに、専門分野についてのフォーラムも開催をしてきました。例ですけれども、昨年の3月には神戸都市緑化国際フォーラムというものを開催いたしまして、世界的にも有名なシンガポール植物園の植物研究ディレクターの方に基調講演をしていただき、神戸の緑や公園についての在り方を市民参加で議論をしていただきました。
ポートアイランドのリボーンプロジェクトを進めていますが、ここでもワークショップを繰り返し行っております。先月5月19日にはこの取組についての方向性を議論し、パネルディスカッション、意見交換なども行ったところです。
今後は、基本計画の策定というのを今年度行いますので、神戸のことをもっと話そう、2035年の神戸のことを議論しようということで、7月12日ポートオアシスで400名の方々の参加を想定したディスカッションを行いたいと思っております。このほかにも、様々な講演、ワークショップでの意見交換を行いたいと思っております。
これから神戸の未来、あるいは専門的なテーマでのフォーラムを多数行っていきますので、こういうフォーラムなどの開催の状況をおでかけKOBEに情報を掲載していきたいと思っております。このことによって非常に検索がしやすくなり、参加をしていただく契機を増やすことになるのではないかと考えております。これが1点目です。
2番目のテーマが、元町駅周辺のリニューアルプランの検討に着手をいたします。
元町駅は、1874年に西日本で初めて神戸-大阪間に鉄道が開通をしたときに、終点が神戸駅でしたけれども、今の元町駅付近に三ノ宮駅がつくられました。これは、このときには、ほぼ地上の線路だったわけですけれども、1931年に神戸が発展をした、してきたということで、線路を高架化したわけですけれども、このときに三ノ宮駅が現在の場所に移転をいたしました。ここからは駅がなくなったわけですけれども、ぜひとも駅を復活してほしいという要望が大変地元からも強かったことから、そういう請願も出されまして、1934年に現在の位置に元町駅が誕生したわけです。この元町駅が今の元町駅につながっているわけなんですね。その2年後、1936年には、阪神電鉄が、終点が三宮駅だったんですけれども、これを地下で延伸をされまして、阪神元町駅が開業をいたします。これが現在の阪神の元町駅です。
この写真は、終戦直後、1946年、昭和21年頃の元町駅の写真です。今とそんなには変わらないイメージですね。このときはこの周囲には闇市がたくさんあったというふうに言われておりますけれども、この姿というものが今も引き継がれているわけです。
元町駅の周辺の整備というのは、これまで望まれてきたわけですけれども、なかなか進んできませんでした。元町駅というのは非常に大事な場所です。後でも申し上げますけれども、2015年、10年前に都心の再生の(将来)ビジョン、それから三宮の再整備のプラン(基本構想)をつくったときの想定エリアですね。神戸市としてこのビジョンの想定エリアというのは、新神戸駅から、県庁周辺も含み、神戸駅からハーバーランド、そしてウォーターフロント、フラワーロードを北上して市役所エリア、そして、三宮周辺エリア。こういう一帯を神戸市としては都心と考えていたわけですが、元町駅というのはこのエリアのちょうど真ん中に当たるわけです。この元町駅は、回遊性ということを考えたときに、非常に重要な位置になります。
この2015年のプラン以降、これを計画的に進めてきました。2021年には、神戸三宮阪急ビル、サンキタ通り、サンキタ広場が次々にオープンいたしまして供用を開始し、2022年8月には、市役所2号館の再整備事業者を選定いたしました。2023年7月には、三宮の新しいバスターミナル1期の、新築工事に着手し、翌年の2024年3月には、JRの三ノ宮駅ビルの起工式が行われ、2025年、今年の1月には、三宮駅周辺の歩行者デッキの工事に着手をしました。ウォーターフロントでも、既にいろいろな施設も整備されてきましたけれども、この4月にジーライオンアリーナが開業し、ウォーターフロントのグランドデザインも発表いたしました。
こういう形で、ウォーターフロント、三宮、また、神戸駅についても計画を発表したわけで、この元町駅のプランというものが手つかずだったわけです。これを今回、神戸市として、元町駅(周辺)のリニューアル検討に着手しようということにいたしました。
今回のプランの想定地域は、元町駅を含み、薄く青い円内を、おおむね対象周辺の地域、このエリアを対象といたしまして、このエリアの課題を整理した上で、まちづくりの方向性を明らかにするということです。今回の直接的な対象は、元町駅とこの周辺の公共施設の在り方、公共空間の在り方ですね、公共空間の在り方を検討する。これが今回のプランの対象です。
元町駅と、そして元町駅の周辺は、駅とまちとのつながりが不足している。後でまた写真を御覧いただきますが、そういう問題、それから、バリアフリー化ができていないという問題、それから、周辺の公共空間が十分に利用もされていない、例えばロータリーの問題、それから、歩行者空間もにぎわいに欠けると。こういうような問題がありまして、これらを解決するために、このプランを検討するということが求められてきたわけです。
この手つかずだった元町駅のプランの検討に、今回着手することができた大きなきっかけは、契機は、JR西日本さんが、元町駅東口のバリアフリー化を決定していただいたということです。元町駅の西口にはバリアフリー化が、改札口のところはできているわけですけれども、東口は、東口のほうが大変利用者が多いにもかかわらず、改札口からホームには階段だけなんですね。従来から改善が、市民の皆さんから求められてきました。
そこで先日、JR西日本さんから、JR元町駅の東口について、いよいよバリアフリー化に着手をすると、これを会社として決定したという御連絡をいただきました。これは、実は今日初めて対外的に公表を発表させていただくことになったわけです。エレベーター2基、それから、エスカレーターの上り3基、そして、これは今年度中に工事に着手をするということも、御連絡をいただきました。
これは長年の懸案でありまして、市民の皆さんとの対話集会の中でも、よく議論になってきたテーマです。今回、JR西日本さんが、このエレベーター2基、エスカレーター3基の整備を決定していただいたということを大変ありがたく、JR西日本さんに対して、心から感謝を申し上げたいと思います。
これを契機といたしまして、JR西日本さんと一緒に、先ほど申し上げた元町駅のリニューアル、そして、元町駅に近接する公共空間の再整備、これをJR西日本さんと連携して一緒に行っていこう、これが今回のプランの内容です。
元町駅の中は、もちろんこれはJR西日本さんが整備するわけですけれども、その周辺の公共空間としてどういうものが課題になって、どういうところが課題になっているのかということを、少しこの写真で御覧いただければと思いますが、一つは元町駅の非常に乗降客が多い東口のエリアですね。ここです。ここは写真、よくここを通られる方も多いと思うんですけれども、中央幹線が走っていまして分断されています。周辺との、このつながり、駅とまちとのつながり、これが回遊性ということから見れば課題がある。元町駅の南側ですね、元町の商店街、それから大丸さん。大丸さんから、この前ライトアップをしましたけれども、ウォーターフロントに行く人の流れということを考えたときに、駅前の改善ということが求められるということが1つです。
もう1つ、この中央幹線ですけれども、通過交通が大変多いわけですが、この駅前空間の在り方としてもいろんな問題があります。ここにロータリーが実はあるんですよね。ロータリーだと思っている人は少ないと思うんですけれども、ここは西側への一方通行になっておりまして、そこから右折して、ロータリーに入る。これはほとんど使われていません。ここは右折して入る、非常に入りにくいし、ほとんど使われていない。非常に低利用になっている、利用頻度が低い、こういう問題です。
もう1つは、やはりにぎわいが欠けている。今、JR西日本さんが、高架下につきましては耐震補強の工事をされておりまして、今、耐震補強した後の利用はJR西日本さんが考えていただくということになるわけですけれども、その南側ですね。歩行者空間、ここは歩道も狭い、滞留スペースも少ないということで、にぎわいが少ない歩行者空間になっています。東口のところは大変南北に行く方も多いんですけれども、西に行くと人通りがまばらになってしまうというような問題があります。
ここの在り方ということを検討いたします。ハードの整備がこのプランの中心になるわけですけれども、ソフトの対応ということも重要です。そういう意味から、今、ここのエリア、元町駅のまだ西側にあるわけですが、モトコーと言われているこの高架下。この1番街、2番街、ここは耐震補強のために全ての店が退去済みですが、ここでの暫定利用という位置づけで、アーティストあるいはクリエーターの皆さんがここで様々な活動をする、こういう予定もありまして、この工事に着手するのは少し先のことになると思いますけれども、暫定利用できる空間で、そういう神戸の、あるいは神戸ゆかりのアーティストやクリエーターの皆さんが活動をする、ここでこの空間を使っていただくということは、非常にありがたいことではないかというふうに思います。
もう1つは駐輪場です。駐輪場は複数存在をいたしますが、今、写真にあります元町駅の南側ですね。南側の駐輪場、中央幹線に沿ってこの駐輪場があるわけですけれども、やはり複数の駐輪場、大変分かりづらい。また、本当に適切に配置されているのかという問題がありまして、この駐輪場の整備、これを行う必要があります。
それから、西口ですね。西口は、この北側への移動経路部分は、これ、階段です。かなり長い階段で、ここから県庁に行くわけですね。ここをやはりバリアフリー化しないといけません。ただ、ここは県庁の再整備と関連づけられますので、一応、私どもの先ほどのプランの対象エリアにはなっていますが、県庁の再整備の(検討の)進捗度とに合わせまして、兵庫県をはじめ、関係者の皆さんと検討を進める必要があるというふうに考えています。
もう1つは、この南側、今度は中央幹線の反対側です。ここは観光バスの乗降場となっております。観光バスの停車ニーズに応じた乗降場の実証実験も今、行っています。この実証実験の結果を踏まえた観光バスの乗降場の本格運用に向けた検討を行っていきたいと思っております。
これが今の課題と、そして検討の方向性ですが、検討の進め方です。検討の進め方につきましては、これはワーキンググループでしっかり検討をすると。そこで、改めてこの元町駅とその周辺が果たす役割、また、この周辺だけではなくて、先ほどの円で示したこのエリアのまちづくりの方向性。目指すべきまちづくりの方向性と、それから高架下空間と広場との一体性の検討などを行う。このワーキンググループで検討し、リニューアルプランの策定を行っていきたいと考えています。このワーキンググループは、地元のまちづくり団体、それから4名の学識経験者の方をメンバーといたします。事務局は神戸市が務めます。オブザーバーとしてJR西日本さん、阪神電鉄さん、そして兵庫県の関係者がオブザーバーとして入るということを想定しています。
今後のスケジュールですけれども、夏頃から、先ほど申し上げましたワークショップを順次開催していく。そして、このワークショップでの議論を基に、来年の秋頃にリニューアルプランの素案を策定いたしまして、2026年度中にリニューアルプランを策定します。そして、2027年度以降に順次設計工事に着手をしたいというふうに考えています。
ただ、それまで何もしないということも適切ではありません。昨日も7時前後、まだ少し明るかったですけれども、あの辺りを歩いて感じたことは、やはりある意味での元町らしさというものが感じられる、残っているということですね。昭和レトロの雰囲気もあります。情緒がある公共空間になっていると思うんですけれども、その一方で、やはりいかんせん様々な施設が古くなっていて、とにかく暗いということですよね。本当に暗いですね。これ、やっぱりもっと明るくしたいなと。よさを残しながら明るくするということができないかなということを感じます。それから、やはり駐輪場がちょっとひど過ぎますね、あの駐輪場は。このひど過ぎる駐輪場を、プランをつくって工事がかかるまで何もしないということではなくて、手戻りにならないように、駐輪場の改善と利便性の向上ということも、これも行っていきたいと思います。
こういう形で、この工事に取りかかるまでに、先ほどの若手アーティスト、クリエーターの皆さんの参加による、この空間の暫定利用というのは、ソフト面も含めたにぎわいづくりということも、地元の皆さんと相談をしながら、この元町駅、そして元町周辺の活性化ということにぜひ取り組んでいきたいと思っています。
3番目が、神戸空港にペロブスカイト太陽電池を設置して、実証実験を行いたいというふうな内容です。
神戸市内の再生可能エネルギーの導入量は、2030年度、これは神戸市がつくりました温暖化防止実行計画によると500メガワット、これを目標値としています。2024年度で338メガワットですので、あと160メガワット以上それを増やす必要があるわけですが、課題といたしましては、近年のこの太陽光発電設備の導入が減少傾向にあるということですね。それは、設置適地が減ってきているということ、それから、やはり太陽光発電、メガソーラーと言われている大規模な太陽光発電施設については、やはり自然破壊につながっているというような批判もあります。そこで、神戸市は全国でも恐らく最も厳しいとも言われる、そういう規制条例も設置をいたしまして、特に、ほかの地域では数多く見られるような山間部における太陽光、メガソーラーの設置はストップをしております。そういうこともあって、設置適地が減少している、あるいはFIT制度、固定価格買取り制度の買取り価格が低下をしている、工事費の価格上昇、こういったことで、再生可能エネルギーを増やしていくためには今までとは違った発想の対応が必要になってきました。
そこで、神戸市は脱炭素先行地域、ここにポートアイランドの一部地域が選定をされ、この選定を受けまして、環境省からの交付金を頂いて、地域事業者に間接補助を行う。再エネ・省エネ設備導入に関する経費、これを進める。こういう経費に対する補助を行って、施設整備を進めるということで、2025年度から2029年度、約50億円を投入すると。約6メガワットの太陽光発電設備の設置をしていく予定です。
さらに加えて、今、期待されているのが、次世代技術としてのペロブスカイト太陽電池です。このペロブスカイト太陽電池は日本発の技術でありまして、一部企業では2025年度から商用化が開始をされる予定です。このペロブスカイト太陽電池はシリコン系の太陽電池、これが従来のものですが、これに比べまして軽量で、薄い、柔軟という特徴があります。曲げられるという特徴があるわけですね。ここで、従来の技術では困難であった場所にもこれが導入をされるという、そういう特徴があります。
そこで神戸市は、この神戸空港でペロブスカイトの実施の導入することができないか、その導入の可否を検討する上での材料となる、材料を集めるための実証実験を開始するということにいたしました。内容は、神戸空港の敷地内の北東側、これは空港制限区域ということになるわけですが、ここにこれを実験的に設置いたします。今年の6月2日から2027年の3月31日まで設置をいたします。ここは、事業者としては積水化学工業さん、積水ソーラーフィルムさんが、このペロブスカイト太陽電池の設計、施工、実証成果の分析を行います。関西エアポート神戸さんがフィールドを提供する。神戸市が全体の調整を行うと、こういう役割分担のもとに進めます。
この実証実験は、これは空港制限区域ですから、空港基準の空港制限区域ですから、ここに設置したことに伴って影響があるのか、ないのかといったようなこと、それから、耐風性能ですね。神戸空港は大変風が強いところですから、そういう耐風性能などの安全性を確認する。それから、緑地帯にこれを設置することで、こういう緑地帯における施工方法ということも、これを検討する。あるいは耐久性、発電効率ということを検討するということですね。
空港(の制限区域内)でこのペロブスカイトを設置するのは、神戸空港が初めてということになります。この実験データは国土交通省に提供いたしまして、これがもし可能ならば、全国の空港にこれを広げていくということが考えられます。神戸空港は、全国の空港の中では比較的小ぶりな空港ですけれども、神戸空港の実証実験の結果、これは実用化できるということになれば、これを全国の空港に広げていけば、ペロブスカイトがかなり普及をしていくということにつながりますから、これはそういう面でも、神戸市はこの再生可能エネルギーの普及に、こういう形で貢献することができるのではないかということです。
なお、空港ではこういう実証実験を行うわけですけれども、神戸市ではこれ以外に、公共施設でこのペロブスカイトの設置をして、併せてほかの地域でも実証実験ができないか、現在検討しているところです。神戸市は脱炭素化のために様々な新しい取組を行ってきましたけれども、これもその取組の一つとして御理解をいただければと思います。
私からの説明は以上です。
記者:
まず、元町駅の再整備に関してなんですけども、ロータリーであるとか、ロータリーの脇の歩行者空間なんですが、車道、中央幹線は少なくとも県道で、県の管轄かとは思うんですが、この車道とかこのロータリーのところの管轄というのはどこになるんでしょう。
職員:
この前のこの中央幹線につきましては、神戸市が管理をしております。
記者:
じゃあ、もう歩道もロータリーも全て含めて市の管理ということですか。
職員:
そうでございます。
記者:
分かりました。市管理の県道ということになるんですかね。
職員:
そういうことになります。政令市でございますので、神戸市のほうで管理しております。
記者:
こうした中で一つ、先ほどおっしゃった中で、今回のこの再整備を前に進めるきっかけとして、JRさんのバリアフリー化の、要は導入決定が大きかったというふうなことをおっしゃっておりました。一方で元町駅というと、県庁がやはりかなり大きなウエートを占める場所かと思ってまして、県庁の再整備事業が二転三転して、今、検討会進められていますが、そちらで検討が始まったというのも、今回の決定に何か影響はあったんでしょうか。
久元市長:
そうですね。兵庫県で昨年の8月に、県庁舎のあり方等に関する検討会が設置をされまして、この5月には一定のプランの素案のようなものも発表されております。ここでは元町駅へのアクセスも意識をされています。そういうことも一つの契機にはなっていることは事実ですね。この検討会には神戸市の関係者も参加をしていますし、今度つくるワーキンググループにはオブザーバーとして兵庫県さんも入っていただきます。
ただ、この北、バリアフリーになっていない、さっき御覧いただきましたこの階段の部分ですよね。この階段の部分については、これはもう少し兵庫県の県庁の再整備の内容の熟度が上がっていくということが、このエリアのプランを具体化させていくということが必要になってきますから、ここの部分についての検討の方向性というのは、今の時点では特段の考え方はありません。県庁の再整備の検討の熟度が高まっていくということに応じて、県のお考えを聞いた上で、このプランをつくっていくというふうに思います。
記者:
それは、県庁の再整備によって、要は、かなり元町駅から県庁までの動線のメインになってくるところなので、その通行量などがもうちょっと熟度が上がってめどが立ってこないと、やっぱりつくりにくいという、そういう感じですか。
久元市長:
通行量というよりも、県庁の再整備プランの中の対象エリアとしては、県庁の敷地そのままではないけれども、ここのエリアということについての県庁の考え方、兵庫県の考え方というものは、やっぱりもう少し明確になっていくということが必要だというふうに思います。
記者:
そして最後に、この元町の関連でもう1点お伺いしたいんですが、三宮の都心の再整備も今進んで、バスターミナルであったり、古くは、古くと言うとあれですけど、阪急のビルであったり、長く、三宮の再開発というのは既に手をつけられていると思います。また、神戸駅のほうでも駐輪場の見直し等始まって、もう既に工事が始まってる中で、その間の元町だけがなかなか進められてこなかったという状況でありますが、今こうしてようやく検討を始められるというところで、そこの市長についての思いというか、感想というのをお聞かせください。
久元市長:
三宮、元町、神戸というのは本当に近いですよね。そして歴史的に見ても、言わば神戸の発展を牽引してきた、あるいは神戸の発展の原点とも言える場所がこの三宮、元町、神戸です。先ほど申し上げましたように、三宮について、もうこれは計画段階というよりも実施段階ですね。神戸駅についても、プランを策定いたしまして、地下タワー式駐輪場についても整備を進めていきたいということで、もう計画段階から実施段階に入ろうとしている。その間にある元町駅周辺については、今まで手つかずだったわけですけれども、今回こういう形でプランの検討をスタートすることができるということは、大変これは意義深いことだと思っています。特にJR西日本さんには大変深く感謝を申し上げたいと思います。
このことによりまして三宮と元町、神戸というのは、今でもつながっているわけですけれども、この連続性をさらに高める。それから、都心、三宮のこの再整備の大きな目的というのは回遊性を高めるということですから、この回遊性を高める方向での元町のプランの策定ということに取りかかっていく。とにかく回遊性を高めるということを考えたときに、今回のプランの作成着手ということは意味があるというふうに思います。
記者:
そしてもう一つ追加で、この元町、山手の県庁から見ての、今のロータリーのところであるとか高架のところであるとか、やはり県の策定するプランというのとかなり関わりを切ることはできないというか、そこの一体性でより相乗効果が生まれてきたりという効果は、そこは間違いないと思うんですけども、言える範囲で結構ですので、県のプランにはどういったところを期待したいですか。
久元市長:
これは県庁の話ですから、そこについては、兵庫県のほうで関係者と相談しながらお考えいただければというふうに思います。神戸市としてはやはり先ほどの元町駅、特に西口、北側とのアクセス、アプローチをどうするのかということの観点から検討に加わらせていただきたいというふうに思います。
記者:
引き続きなんですけど、この元町のリニューアルプランについてなんですけれども、これ、県の県庁再整備に係る計画と今回のプランのすみ分けというか、その役割分担という部分について、もう少し教えてください。
久元市長:
まず、当然のことながら、県庁の再整備、それから、兵庫県の敷地と、これに隣接、近接をするエリアの在り方というのは兵庫県がお考えになることだというふうに思います。神戸市は元町駅と元町駅周辺の公共空間、ここは工事施工者ということになりますから直接的な責任があります。JR西日本さんは元町駅の構内と高架下のリニューアル、これはJR西日本さんが直接施工されるということになります。
そういう役割分担ですが、これが相互に関連してるわけですよね、当然のことながら。そういうことで、とりわけこの元町駅のバリアフリー化ということを今回決定していただいて、そして今既にこの高架下のリニューアルということが、もう今、行われている部分で、それからモトコーなどは店舗が撤退している。ということで、これ、JR西日本さんは計画的に進めておられますから、ここは結局、ここを通る方は、ここを全然そういうことを意識せずに通行されるわけですから、やっぱり一体的にやらなければなりませんし、それから、先ほどの繰り返しになりますけれども、県庁と元町駅、特に北側、西口とのアクセス、アプローチというのは兵庫県さんのほうも非常に関心がおありでしょうから、どういう考え方を示されるのかということ、あるいは、その検討の過程に神戸市としてもオブザーバーとして入って、必要があれば意見を申し上げると。逆に、兵庫県さんからも、私どもの検討の中に、ワーキンググループにはオブザーバーとして入っていただきますから、必要に応じて意見をいただくという形で、連携しながら3者が進めることができるというふうに思っております。
記者:
ありがとうございます。先ほどの説明の中であった暫定利用の際のアーティストとかクリエーターとかに使っていただくという部分なんですけども、そこはどこの場所でどういうものを想定されていらっしゃるんでしょうか。
久元市長:
モトコーの1番街、2番街というところですね。ここが今、店舗が退去して、今、空きスペースになっているわけですね。ここで暫定利用をされるというふうに聞いてございます。ここでいろんなパフォーマンスをされるというふうに聞いています。
記者:
それはJRさんのほうでされるということですか。
久元市長:
これはJRさんにお聞きいただいたほうがいいんですけれども、JRさんの委託事業で、JR西日本不動産開発さんが実施をする委託事業だというふうに承知をしています。ここに、神戸在住あるいは神戸ゆかりのアーティスト、クリエーターの皆さんが参加をされるということは、これは神戸市としても、神戸のアートシーンを豊かにするという意味でも大変意義があることだというふうに思います。
記者:
続いて、空港のペロブスカイトのほうなんですけれども、今回、空港での設置は初めてということなんですけれども、改めて、空港に設置するという意味についてなんですけれども、恐らく空港は広くて、ビルとかも近くにないですし、日照の条件的にいいという部分なのかなと思うんですけれども、そのあたり、空港に設置することの意味についてお伺いしたいです。
久元市長:
やはり適地が限られている中で、神戸市としては空港に着目したということですね。同時に、ここについては、先ほど実際にここで実証実験を行っていただく非常にパイオニア的な企業も現れましたので、ぜひ私たちとしては、関西エアポートさんと相談をして、ここにフィールドを提供して、ぜひ実証実験をやっていただきたいということ。そして、ここがうまくいけば、神戸空港でこれが実用化できれば、先ほどの再生可能エネルギーの導入量に少しでも寄与することができるということですね。それよりも大きいのは、これを全国展開できれば、ペロブスカイトが相当大きく広がっていくということにつながるというふうに考えています。
記者:
今回、この設置して、実際に発電された電力を空港施設で使用するということなんでしょうか。
久元市長:
空港の中でこれを使うということになります。そんな大きな量ではありません。
記者:
今回、ワーキンググループにオブザーバーとしてJRさん、阪神さん、鉄道会社さんが入られていますけども、非常に、特にインフラというか、ハード面の再開発、再検討、かなり大変だと思いますが、この鉄道会社さん、今回、エスカレーターとかエレベーターも追加で入りましたけども、駅全体も結構老朽化していると思うんですけども、このあたり、共に取り組んでいくに当たって、鉄道会社さんに期待されてるようなこととかございますでしょうか。
久元市長:
やはり元町駅は大変これは歴史のある駅ですが、しかし、これは耐震補強すればまだまだ使えるというふうにJR西日本さんからは聞いております。この元町駅はやはり神戸を代表する駅ですので、やはり神戸市民にとっても非常に愛着があるわけですから、駅の雰囲気も大切にしながら、より魅力がある、安全でバリアフリーにも配慮された、そして便利で快適な駅空間にしていただければありがたいなというふうに思っております。同時に、私たちは、駅の周辺の公共空間を形成するのは私たちの責任ですから、当然のことながら、緊密に連携をして、一体性のある駅前空間にしていくということをぜひ心がけたいと思います。
私自身、JR西日本さんの神戸支社長さんをはじめ、頻繁に、この元町駅のことだけではなくて、大変意見交換をする機会はありまして、神戸のことを大変気にかけていただいているということを大変ありがたく思っております。神戸-大阪間の開業150年の式典も神戸で行わせていただきました。神戸駅の駅のホーム、それから、神戸の駅前で行っていただいたことは、本当にこれはありがたいことでした。改めてたくさんの神戸市民が神戸を訪れて、歴史を感じさせる駅舎の中でのパネル展示も行われまして、多くの方々が懐かしい風景に見入っておられたのもすごく印象的でしたね。こういう形で、JR西日本さんは、まさに三宮の駅前の駅ビルが今工事中でして、非常に緊密に一緒に仕事ができているということはありがたいことで、感謝しております。
記者:
また、先ほど市長もおっしゃってましたけども、非常に街がレトロだというイメージで、例えばショッピングであったり観光のイメージも強いと思うんですけども、一方で、例えばホテル需要がちょっと乏しかったりであったりとか、ビジネス需要が低いなんていう指摘も多分以前あったと思います。その中で、市長、前からおっしゃっている民間の活力をどんどん使っていきたいと期待されているんですけども、どのようなことを民間に期待していらっしゃるでしょうか。
久元市長:
その辺のところは、地元の皆さんがこのワーキンググループに入っておられますから、やっぱり地元の皆さんの御意見も聞くということだろうと思いますね。ホテルを考えるときには、やっぱり元町エリアで考えるということがいいのか、三宮も元町も近いですよね。元町と神戸駅も近いです。元町駅と旧居留地、ウォーターフロントも近いですし、元町駅から、我々としてはぶらぶら歩きながら、ウォーターフロントにも行っていただきたいと思いますから、ホテルなどを考えたときにはもう少し広いエリアで、需給バランスも考えながら整備していくということが大事ではないかなと思います。
記者:
もう1点だけお願いします。この整備計画、2026年策定、27年以降着手ということですが、市長の個人的なイメージでも結構ですけども、いつ頃をめどまでに、幾つかこう、着手するプロジェクトを完成させたいお考えはあるでしょうか。例えば、国際定期便の就航が2030年を目標とか、何か、個人的な思いでも結構ですので、三宮を含めた再整備のイメージをお聞かせいただけますでしょうか。
久元市長:
もちろん、できるだけ早く姿が現れればいいと思いますけども、2030年に、これが一応の姿を見せるということは難しいかもしれません。もう少し時間がかかるだろうと思います。ただ、それまで何もしないということではなくて、手戻りにならないように。特に駐輪場は、昨日改めて見ましたけども、ちょっとこれを放置しておくというのは、本当に利用者の方に申し訳ないなという。この写真はまだ比較的いいところなんです、いいところだけ写真を撮って出しているかもしれないです。本当はもっとひどいですよ。だからここは手戻りにならないように、もうちょっと便利できれいにしないといけないですよね。すいません、これは私の責任なんです、最終的には。
記者:
どちらかというと、まずは街をきれいにしたいみたいな。
久元市長:
ええ、そう思います。もうちょっと明るくすることはできると思います。樹木のライトアップとか、この駐輪場も、もう少し明るくするとかはできると思いますから、そこは手戻りにならないようにやっていきたいと思います。
記者:
ちょっと続けてで恐縮なんですけれども、元町駅の再整備の関係で、主な課題で駅とまちのつながりが不足というふうにおっしゃっていただいていたと思うんですが、つながりがあるというのはそもそもどういう状況のことを市長はお考えなのかというところをまずお伺いしたくて、多分、バリアフリーをすればいいということだけではないと思うんですが、そのあたりをお伺いしたいです。
久元市長:
一番望ましいのは通過交通をできるだけ少なくするということです。通過交通を少なくするのは、しかしこれは春日野道の交差点を、三宮に行く路線を少なくして、南側に振るというふうにしましたけれども、それによって若干減った可能性はありますけれども、しかし、ここは湾岸道路の西伸部が完成しないと、神戸市内の通過交通、抜本的には減らないだろうと思います。ここは元町駅前でも同じです。ですからここの通過交通を抜本的に減らすというのは、このプランで前提とするということは、少し長いスパンで考えないとできないだろうと思います。そのこと前提にしたときには、いかにスムーズに横断できるかということです。それと歩行者、歩道のありよう、ロータリーも非常に使われていないということを考えれば、車道、歩道のありようということとか、その空間をどう考えるのか。
元町駅の南側は、数年前に、これはたしか神戸大学だったと思いますけれども、神戸大学の大学院生や学生の皆さんの意見を聞いて、階段状の憩える場所をつくりました。あれは昨日も行きましたけど、かなり、かんかん照りのときはどうか分かりませんが、結構使われていましたね。ああいうものを残しながら、もっと違う発想で憩えるような空間をつくる。それからスムーズに歩けるような空間、それからスムーズにこの中央幹線を渡ることができる空間ということです。
神戸は山が海に迫っていて、可住地面積が非常に狭いということから、道路や公共空間も制約される面があります。そこをいかにうまく知恵を働かせて、人の流れを南のほうにいざなうような仕掛け、工夫というものを、この際よく知恵を出して、ワーキンググループでもいろいろな方が、学識経験者や地元の方々からもいろいろな意見を出して、いい知恵が出ればということを期待しています。
記者:
あともう1点、駐輪場の件で、今平置きになっているかと思うんですけれども、多分、今のお話だと相当場所が限られる中での整備ということで、難しいかなと思うんです。例えばJRの垂水駅みたいに、建物全体が1つ駐輪場になっていてというところもある中で、なかなかそういうふうな検討というのはちょっと難しいですか。
久元市長:
これからですね、その検討は。
記者:
どういう形にしていくかというところは?
久元市長:
はい、それはこれからです。
記者:
市長おっしゃるとおり、三宮、神戸駅は再整備が進んでいて、三宮駅なんか特に見違えるようにきれいになってますし、郊外のほうでも西神中央や名谷など、リニューアルがどんどん進んでいますが、元町駅だけやっぱり進んでいないという声は、市民のほうからも、私も聞くことはありますが、なぜここまで遅れたのかという理由があれば、よろしくお願いします。
久元市長:
なぜここまで遅れたのかというのは、一つは、やはり全市を対象として、あらゆることを一気に、同時に進めるということはなかなか難しいわけですから、優先順位をつけてやってきた。特に三宮は、やはりできるだけ早くやらなければいけない。ですから2015年の都心の再生の(将来)ビジョンと、三宮の再整備(基本)構想は同時につくっているわけです。同時に、この都心全体を考えないといけないということ、そこの中でも、やはり三宮は特に考えないといけないということで、ここをまず最優先でスタートさせた。それが10年たって、今姿を現したということです。
次に神戸駅です。神戸駅については、やはり、比較的JR西日本さんと神戸市が中心になってプランを作成することができますので、ということと、それから、やはり神戸駅というのはかつて西日本の重要な交通の結節点であり、東海道本線と山陽本線の結節点なんですね。そういうところをやはり神戸市としてはやらなければいけないということです。ほかの駅もいろいろやりましたけれども、神戸の中心では2番目に神戸駅ということでやってきました。それで今回、先ほど申し上げたようなJR西日本さんがエスカレーター、エレベーターをつくると、社として決定していただいたということを契機にこれからプランの作成に入るということで、こういう順序で仕事を進めていきたいと思います。
記者:
あと、対象の範囲が写真で示されている水色の部分ですけど、周辺の商店も巻き込んでかなり広い範囲が対象エリアになっていますけれども、先ほど来からのお話でしたら、駅舎と公共空間というお話でしたけれども、例えば、周辺の民間事業者を巻き込んで再開発を促すというような、そういった大規模な再整備みたいなことは視野に入っていますでしょうか。
久元市長:
初めから大規模な再開発を想定しているということはありません。我々としては薄青色のエリアがどういう将来の姿として望ましいのかということを意識しながら、直接的には駅の中、そして駅の多くに周辺の公共空間の整備をするプランをつくる。同時にこのプランが周辺のエリアにどういう好ましい影響を与えることができるのかということを意識しながらプランをつくっていくということになろうかなと思うんですね。同時にワーキンググループでいろいろなところ議論をする中で、こういう周辺のまちのありようというような意見が出てくればどういうことができるのかということは考えなければいけないと思います。
ただ、このエリアは未利用地がないことはないですけど、そんなに多くはありませんから、例えば、ここで改めて市街地再開発事業をするとか、区画整理事業をするとかというのはなかなか想定しにくいだろうと思います。つまり我々が非常に低利用になっていて、決して好ましくない状況にある公共空間というものを、こういう姿にするという部分が民間開発にどうつながっていくのか、これも意識しながら進めていくべきだと思います。好ましい民間開発につながるような元町駅、元町駅周辺というものをつくるということが大事で、そういう民間投資を誘発するということも意識しながらプランの作成を進めていきたいと思います。
記者:
もう1つだけなんですけど、JRさんに聞くことかもしれないんですけど、バリアフリー化はいつ頃完成されるとお聞きになられているのかということと、今回の元町駅周辺リニューアルの時期として2027年度以降に工事に着手ということがありますけれども、このJR西日本のバリアフリー化の完成と軌を一にするというか、その時期を合わせたりすることをお考えなのかというあたりをお願いします。
久元市長:
JR西日本さんから聞いているのは、今年度中に工事に着手するというところまでで、それ以上のことはJR西日本さんにお聞きいただければと思います。
それから、JR西日本さんのバリアフリー化がいつ完成するかということは、私どもが周辺の公共空間を整備するという上での1つのファクターですけれども、そのことによってプロジェクト全体の時期ということに大きく影響するということはないのではないかと思います。1つの要因だということだと思います。
記者:
神戸空港のペロブスカイト太陽電池設置の件です。空港施設、特に格納庫とかそういったところに今の既存の製品では重くて置けないということなんですが、何か法律などでこれは限定されているんでしょうか。それから、市長がお話しされていた山間部への設置などを制限しているという条例なんですけれども、それは7月1日付で改正施行する太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例に当たるんでしょうか。
職員:
空港内の制限区域内(の緑地帯)に設置するのは、従来のシリコンパネルであったら障害物として空港機能を損なうということで、ここは禁じられているところでございます。ただ今回のペロブスカイト太陽電池というのは、先ほど市長のほうから申し上げたように、柔軟であるとか薄いとか折り曲がってもというようなところで障害にならない設置が可能というところで、これは国交省のほうでも検討会で進められておりまして、ペロブスカイトには可能性があるということで、今回、実証実験ということで設置させていただきました。
あと、もう1つ。
記者:
条例の話ですね、山間部に設置できない、設置を制限しているという条例なんですが、太陽光発電施設の適正な設置及び維持管理に関する条例でよろしいですか。
職員:
それで大丈夫です。
記者:
それともう1点すいません、ちょっと細かいことで恐縮なんですけれども、発電能力はどのくらいなんでしょうか。
職員:
今回は空港に設置ということですので、ちょっと空港の風とか反射光とかですので、それで、若干通常のペロブスカイトの設置とはちょっと工夫していますので、今回の実証実験を通じてどれぐらい発電の効力があるのかということを調べることにしております。
記者:
また元町の話で恐縮なんですが、元町駅の今日の写真には何かちょっとうまい具合に写っていないんですが、元町駅の南側には、実は空き家になっているようなビルがあるとか、あるいは元町北通といいまして、元町商店街と中央幹線の間の道路沿いには5台から10台ぐらいの駐車場が点在するとか、必ずしも駅前としては有効活用できていないのではないかという見方もできそうな状況がありまして、これは駅とまちのつながりが不足しているということとも関係があるのではないかと思われます。先ほど、要するに、再開発ありきではないというふうにはおっしゃっていましたが、その辺、何か市長御自身の問題意識などもしありましたらお伺いできればと思います。どうぞよろしくお願いします。
久元市長:
物すごく更地があって、駐車場がたくさんあるというふうには。私はあの辺をしょっちゅう、主として、夜、歩いているんですけれども、そんなに駐車場がいっぱいあってというふうには思わないんですけれども、必ずしも主要駅の駅前にふさわしい土地利用かというと、そうではないと思うんですよね。ここは、しかし、民有地ですから、神戸市が何か入って、自ら事業主体となって事業をするということは考えてはおりません。私たちがこれを具体化する中で民間投資を誘発することができれば、より高度な土地利用を促すことができればありがたいと思いますし、そういうことにつながるようなプランをつくっていくということが重要ではないかと思います。
記者:
要するに、きっかけにもなって、今回のプランがそうした高度な土地利用のきっかけにもなってほしいという、そういう期待もあることはあるということでよろしいですか。
久元市長:
そのとおりです。
記者:
先日あったタワーマンションの有識者会議についてです。全体の報告も上がっているかと思いますが、どのように感じていらっしゃるか、第1回を受けてどのように感じていらっしゃるか教えてください。
久元市長:
私は、第1回は挨拶だけして退席をいたしました。その後のやり取りにつきましては、行財政局、財政当局から説明を受けております。やはり議論がスタートしたばかりだということなので、前の有識者会議で提言されている、いわゆる空室税の必要性ということ、あるいは目的などを、そこから議論していこうということだと思いますし、それは大変もっともなことだと思います。ですから、予断を持たずにこの議論をしていただいて、そこから始まって、私の希望としては、具体的な空室税の内容を議論していただければというふうに期待をしていますが、しかし、1回目ですから、まず、基本的なところ、その目的、あるいはタワマンに限ることが合理的なのかどうかということも含めて議論がスタートをされるということは、それは理解できますし、2回目以降の議論に期待しているところです。
記者:
より具体的な議論に進んでいくことを期待するということですか。
久元市長:
まず基本的なところをもう少し整理していただいて、そして具体的な議論に進んでいっていただければというふうに期待しています。
記者:
ちょっと市とは関係ない話で恐縮なんですけども、現在、政令指定都市市長会のほうで進めている特別市の法制化に関して、今年11月に制度化に向けた最終報告をする方針だというふうに伺っておりますが、現在の提言活動の進捗状況、あと、先月から国会議員の方ですとか全国市長会の方とかと意見交換をされたというふうに聞いておりますが、その中で見えてきた課題等がありましたら教えてください。
久元市長:
指定都市市長会として、特別市の創設を含む多様な大都市制度の在り方についての提言はほぼまとまっておりまして、あとはこれを、その具体的な内容をさらに詰めて、できれば秋頃には取りまとめて、各方面に要請活動をするということが非常に大事だというふうに思っております。
特に機運の醸成ということが非常に大事で、そういう意味で、5月16日だったですかね、5月16日に「指定都市を応援する国会議員の会」が行われて、101名の国会議員の先生本人が出席をされて、50名弱の秘書の方が出席をされた。これは本当に予想以上に多くの方が出席をしていただいて、「これがぜひ必要だ」「これを前に進めるべきだ」というような意見も複数いただいたということは大変ありがたいことだったと思います。今まで以上にこの指定都市の制度についての理解が広がっていくというふうに感じております。
記者:
あと、すみません、また特別市に関連してなんですけど、先日、神奈川県川崎市が仮に特別市に移行した場合の経済波及効果を公表しまして、たしか市内で年間約630億円、市外で約570億円ということですけども、この数字に関しての受け止めをお聞きしたいです。あと、神戸市で何かこういったデータを現在試算されているとか、そういったことがありましたら併せてお聞かせください。
久元市長:
川崎市の経済効果ということについては私も概略は拝見をしました。ああいう経済効果を発表されるということは意義があることだと思いますし、やはり、具体的な算出過程というところまでは突っ込んで読んではおりませんけれども、特別市を創設するということは、制度面だけではなくて、経済の活性化にもつながるということを示す一つの証左、材料ではないかというふうに考えております。
神戸市として、あのような経済効果を算定する作業というのは、今のところ予定するところはありませんけれども、神戸市としての、さらに具体的に、指定都市市長会での検討に加えて、神戸市としても独自にどのような検討ができるのかということについてはもう少し考えさせてもらえればと思います。前向きに考えさせてもらえればと思います。
―― 了 ――
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